よくわかる皮膚細胞活性理論

                                           はじめにに戻る

 

                                           化粧品の実態「聞いたらびっくり!」のページへ

 

 

まえがき

 

 

現代の私たちを取囲む環境

 自然食や無農薬・有機農業が静かなブームを呼んでいます。しかし、添加物の入っている物は体に良くないよ、と聞いた時点で、はたしてどれだけの人が耳を傾け、行動を起こし、実戦するでしょうか。まだまだ多くの人は「そんなこといちいち気にしていたら食べるものなんか無いよ。」とお考えになるのではないでしょうか。また、「わかっちゃいるんだけど。」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。近代科学の発達と共に私たちのまわりに溢れてきた化学物質は食品添加物だけではありません。農薬から公害、薬害、フロンガスによるオゾン層破壊、核物質による放射能と数え上げていけばきりが無くなってしまいます。私たちは被害者意識はすぐ持てます。しかしながらよく考えて見ると自分は人に迷惑をかけていないつもりでも、車に乗り、紙を消費し、電気を消費する事によって、それを何十億という人間が行なう事によって積り積って自然界に大変な影響を及ぼしている事は、改めて私が言うまでもない事です。放射能の影響は大変恐ろしいものですが、原発反対を叫ぶ人々が現代の逼迫する電力需要を考えもせず、ただ反対を叫ぶのならもう少し突っ込んで原発を作らなくて良い方法を提起してみてはいかがでしょうか。かわりのクリーンなエネルギーが見つかり安定供給されるまでクーラーは使わないとか、家電製品は買い控えるとか・・・・。

電気はどんどん使うが原発はつくるな、というのも、地域住民の反対をゴリ押して電力需要が増えるから原発を造るというのも、どちらも相手の立場を考えないエゴと言えるのではないでしょうか。問題は余りにも大きくなりすぎて、人間の手には負えなくなってきていると言っても過言では無いように思えます。では、どうしようも無いのでしょうか。いいえ、私にはこのマクロ的問題は個人個人がミクロ的問題を軽んじている結果であるという気がしてならないのです。個人個人が気が付かないでいる、とりあえず、自分を守る方法に気が付き始めたら、自分たちを守る事が出来、周囲を守れるようになり、そこで初めてエゴを押えて環境を守る事が出来るようになると思うのです。

 私どもの理想提案は単なる皮膚を綺麗にしてはい終わり、と言うものではありません。私たち自身の健康を守り、ひいてはこの素晴らしい地球を子孫の為により良い形で残したい、という誰もが考えている事を実現する為のきっかけとなるものだと確信しています。灯台元暗しと言います。まず足元から見直してみようではありませんか。

 

知らなかったですむでしょうか

 キノホルムによるサリドマイド禍、某ミルクメーカーのヒソ中毒事件は誰もが知る事実です。メーカーに責任が問われるのは勿論の事でしょうが、これがもし100年昔であるならば、気分がすぐれないからといって安易に薬を飲んだり、乳が出ないからといってミルクを与えたり出来なかったはずです。つわりの不快感は母体の浄化作用として当然の事ですし、乳が出なければ出るように努力したはずです。ましてや他の動物の乳で育てるような事をするのは人間だけです。人間は人間という動物です。

動物であるならば、絶対に野性の部分を残しておく必要があるはずです。それを無視したものが(気が付かなかった者が)自然淘汰にかかってしまうのは、自然の摂理だといえるでしょう。毒をまいた人が死ぬのではないのです。毒を食べた人が死ぬのです。有害化学物質を体内に取込んだ後で、知らなかった、メーカーよ、弁償しろ。と叫んでみても、もう元には戻らないのです。日常茶飯事に起こる不幸な出来事も私たちは、つい他人事の様に思いがちです。しかしいつ、自分自身がその当事者として巻きこまれるか分らないのです。知らなかった、では余りにも残念で悔み切れない事が多いですね。

 その一つである化粧品の世界では今、真実が明らかになろうとしています。今まで肌に良いと思って使っていた物にそんな副作用があったとは。この問題に対しても多くの方々が10年以上も昔から声を大にして訴えていらっしゃったにもかかわらず、まだまだ多くの真実は闇に葬られているのが現状です。なぜでしょうか。人はそれが嘘であっても夢を与えてくれる物には寛容なのです。ボランティアでは広まらないといわれる所以はここいらに有るのではないでしょうか。しかしもし、貴方が被害を受けた時、知らなかったからそれで良いといえますか。

 

素朴に考えてみたい

 25才はお肌の曲り角というキャッチフレーズが有りました。お肌って25才から曲り始めるものでしょうか。石鹸で顔を洗っても男性や子供は何とも有りません。女性は多くの人が石鹸で顔を洗うと突っ張るものだと思っています。なぜ体は石鹸で洗っても突っ張らないのに顔は突っ張ってくるのでしょうか。シミは肌の老化であると常識は教えてくれますが男性がシミになりにくいのはなぜでしょう。なぜおなかや胸の肌は綺麗なんでしょう。疑問を持つ者は救われます。難しくはありません。素直に素朴に考えてみましょう。

 

自分の事は自分で責任を持つ

 誰でも選択は皆、自由なのです。世間風潮に押し流されるも、自分から疑問を持って生き方をさぐるも。ただ、これだけはいえるようです。

「小さな本当を信じない人は大きな本当が理解できず大きな嘘に引っ掛かる。」

しかしその選択をしたのは他でもない自分なのです。

 

本物志向の時代

 量が多いか少ないかという時代が有りました。安いか高いかが基準になっていた時代も有ります。そして現代は質が良いか悪いかが問われていますが、これからは本物か偽物かという事が、商品価値の決め手となってくるでしょう。化粧品に限って言及してみると内容成分とそれにつけられている値段に疑問を持った人は安価な商品を出して世に問い掛けました。アレルゲン成分が問題になってくると無香料の物やアレルゲン成分を減らした物が登場してきました。そして自然をイメージに売出してきたのです。しかしそれは本当に満足と納得をユーザーに与えているでしょうか。現状では否、としか答えざるをえないのではないでしょうか。

 しかし、ここについに医学的立場からも納得できる、本物の美容理論が出現しました。RNB活性理論が21世紀の美容法であるといわれる所以はまさに、みせかけをすべて排し、本物のみを追及した結果から出たモノであるからなのです。

 第1章より本文を読み進まれるうちに読者の皆様の多くは、ちょうどガリレオ・ガリレイがコペルニクスの地動説を支持して宗教裁判にかけられた事を思いだしていただけるなら、協会側がどう見ても地球の回りを太陽がまわっていると信じて疑わなかったほどのやり取りと同じくらいの感動を味わって頂ける事と確信致しております。

 

 

      よくわかる皮膚細胞活性理論

 

まえがき

 

もくじ

 

第1章 化粧品みんなで使えば恐くない?  化粧品の成分とその実態について

    貴方にも化粧品はつくれる?

    知らなきゃ損する、知って得する。 基礎化粧品

    洗剤が入ってるって本当?     基礎粧品の主成分(化粧水・乳液・クリーム)

    皮膚から毒が浸透している!    界面活性剤のメリットと有害性

     経皮毒性とその他の有害化学物質

    パックで窒息、口紅を食べる人   メイクアップ

    シャンプーは髪をダメにする?   シャンプー類

    毒だから表示している!      指定成分表示について

    化粧品が肌にあう人あわない人があるのはナゼ?

 

第2章 皮膚の構造とその働き

    もしも、皮膚が無かったら!    バリアゾーン

    皮膚のしくみ           皮膚の構造

    とってもカンタン!天然自然クリームの造り方

    皮膚の生まれ変りのしくみ     正常な皮膚代謝(ケラチニゼーション)

    皮膚って大切!          皮膚の主な6つの働き

 

第3章 今のうつしさを保ちたい人     皮膚トラブルの原因

    いっぱいある原因         皮膚トラブルを引き起こすもの

     最近、シミがきになりませんか?

     20才を過ぎても青春のシンボル?(ニキビ)

     努力して作っているシワ

     自分で作るシワと仕方ないシワ  表情ジワと小ジワ

     その他 水虫さんにさようなら 

         昔はなかったアトピー性皮膚炎

    とっても良く効くホルモン剤    ステロイド(副腎皮質ホルモン)の副作用

     知らなきゃコワーイ、ホルモン剤 ステロイド皮膚炎

 

第4章 皮膚医学の立場から提唱された皮膚細胞活性理論

    細胞の栄養とはなんでしょう

    体液分画

     電解質バランスの重要性

     浸透圧

    細胞の栄養の吸収

     能動輸送

     経皮吸収の経路と条件

     ドラッグ・デリバリー・システム

    活性液の開発に至った理由とその経緯

    その応用と実際

    活性化に際して初期に現れる、一見好ましくない様にみえる反応

     (カウンセリング)

    第4章のまとめ

    体験談

 

第5章 頭皮頭髪活性理論

    毛周期(ヘアサイクル)

    脱毛症の種類と原因

    対策と活性化

    フケ・カユミの原因と対策

    傷んだ毛髪

     枝毛・切れ毛

    傷んだヘアの修復

 

第6章 理想の化粧品とは

    弱酸性であること

    無添加

    生体内にある成分のみでつくられていること

    推薦できる応用商品はあるか

    さらなる応用とその発展

 

第7章 さらに美しくなるために

    排拙する事の重要性

     足心道 汗 尿

    良い物を入れる

     添加物を取らない 咀嚼

    ストレスをためない

     ストレスとは

 

あとがき

推薦できる著作物の紹介

 

 


 

 

 


 

第1章  化粧品の成分とその実態について

 

 

 

貴方にも化粧品はつくれる!?

 貴方にも化粧品は造る事が出来ますよ。と言ったら信じていただけますか。

「えっ!そんなバカな。私が使っている物はここのメーカーでしか造られていない最高の成分を配合した特殊な物なのよ。美容部員の人からも聞いたわ。多くの研究員の人達が長年かかってついに誕生した物なんだって。シミやソバカスも治るって聞いてるし。そんなすごい物が私に出来るわけないわ。」

・・・・・・でもちょっと待って下さい。たしかにその製品と同じ物を造りだすには多少の時間と慣れが必要です。しかし貴方は化粧品がいったい何から出来ているか御存知ですか。何から出来ているかさえ分れば出来るはずですよね。

「・・・・でも内容成分が分ったってやっぱりムリだわ。大変な設備だっているでしょうし。」

これは私が知りあいの久子さんにRNB活性理論を教えて上げようとした時、まず一般の化粧品という物がいったいどんな物で出来ているかを知っていただこうと思って問い掛けた時の会話です。実際化粧品を造るという事はさほど難しい事ではないのです。それは本文を読み進めるうちに納得していただけると思います。実際、久子さんの目の前で、それも私の自宅の台所でクリームを造って見せて上げたのです。高純度のリノール酸を含む100%植物油を使って出来た物質は、それこそ天然自然化粧品と銘うてる物です。塗りごこちは誠に良く、香もステキで色合も彼女は満足そうでした。しかし私の話を2〜3分聞くうち、彼女はあわてて水道水で洗い流してしまいまた。どうしたの?とたずねますと、彼女いわく、

「おそろしー。」

全くもって失礼な人ですね。人がせっかく造ってあげたクリームを恐ろしいだなんて。でも彼女はふざけてそんな事を言ったのでしょうか。いえいえ彼女は本当の気持を言っただけだったのです。ところで私が読者の皆さんに化粧品の作り方をお教えしたからといって「よし、これでひと山当ててやろう。」なんて妙な気持は起こさないで下さい。いよいよこれからこの第1章で化粧品の造り方をご説明申し上げていくわけですが、そのまえに化粧品と言っても範囲が広いですから少し整理してみましょう。化粧品は大きくわけて、だいたい次の5つに分けられます。

 1.基礎化粧品

 2.メイクアップ

 3.石鹸やシャンプー類

 4.頭髪化粧品 

 5.その他

 この本一冊では、す

べてを解説する事はと

てもムリですので、基

礎化粧品を中心に話を

絞って進めていきます

が、さらに詳しく勉強

したい方は巻末に載せ

ました「推薦できる著

作物の紹介」を参考に

してください。

 

 

 


 

 

 

 


基礎化粧品

 化粧品の成分とその実態を知らないままの、化粧気の無い人と話をしていると

「私、めんどくさがり屋だからダメなのよねー。お肌のお手入れはしなくちゃとは思っているんだけど。」

・・・・・でも以外とそういう人の方が同年パイの人と比べると素肌は綺麗だったりします。また、ノーメイクの人に半分お世辞ではありますが「お肌がきれいですね。」と申上げるとたいていの人は

「そんなことないわ。私お化粧はほとんどしないからダメなのよ。」

と答えてきますが、「それでは化粧水も付けていませんか。」とたずねるとほとんど全員の人が、

「そのくらいはしているわ。」

と答えます。また男性は化粧は女性のするものだから、男である自分たちには関係無いと思っている人がほとんどです。

化粧品とはメイクアップする物だけをさすのではありません。石鹸やシャンプーから始って整髪料・ベビパウダーも化粧品の類ですから、およそ現代の日本に於いて化粧品とは全く無縁である、と言える人はいないのではないでしょうか。ちょうど「私は宗教なんて大キライだ。」と断言する人でさえ、死んだらお葬式の時にはお坊さんや神父様のお世話になるわけですから、化粧なんて関係無いと思っていらっしゃる方もこの本は大変役に立ちますからどうぞ読み進めて下さい。

 

 

 

 


 話は元にかえしまして

「私はふだんは、お化粧は一切しないの。それこそするとしたら、たまに他所に出る時だけよ。私、顔にモノをベタベタ塗るのが大嫌いなの。」

おっしゃる気持は男である私にも良く分ります。わたしはオカマではありませんが、一度、おしろいなるものを顔中に塗った事があるからです。あるお祭りに出演するため、サラシをまいてハッピ着てハチマキしめておしろいを塗ったのです。当然自分では塗り方が分りませんから、世話役のおばちゃんに塗って頂いたのですが、なれない感触に面食らってしまったのを10年以上たった今でもはっきりと憶えています。その時思いました。「女の人ってたいへんだなぁ。毎日こんな事しなければならないなんて。」おばちゃんは言いました。

「若い人は、ほんとお化粧ののりがいいわぇ。」

その時、私は意味が分らず、顔をよじってただ、おばちゃんのされるがままになっていたのでした。

 多くの女性にとってはメイクアップは楽しみの一つの様ですが、うすうす、化粧品が肌にとって良くないということを知っている、メイクが嫌いな人でさえ、どうも基礎化粧といわれる物だけはせっせと欠かさず実行している様です。

「だって、いくら私がお化粧が嫌いだからって、25才は過ぎたし、お手入れだけだけはしとかないと。老化は避けられないけど、遅らせる事は出来るんだって。25才は、お肌の曲り角って言うでしょ。このあいだ、化粧品をしている友達から、セットで買っちゃった。」・・・・・・いくらで?・・・・・

「15万円。」・・・・・・・・・・種類はなぁに?・・・・・

「基礎化粧品。」・・・・・・・・それ、何で出来てるか知ってる?・・・・・

「知らない。」・・・・・・・・・・知らなくて平気なの?・・・・・

「だって、すごい何とかエキスが入っていて、最高級の自然化粧品なんだって。最近、何もしてないと、肌のハリとツヤが少し落ちてきたみたいなの。私のお肌は敏感肌でかさつく事も有るから、栄養とうるおいを与えてあげないと老化しやすいそうなの。」

・・・・・・石鹸で顔洗った事ある?・・・・・・・・その時どうだった?・・・・・・

「もちろんあるわ。突っ張ったみたいで、やな感じ。」

・・・・・・どうして突っ張った感じがしたんだろ?・・・・・

「それが、お肌の老化の赤信号でしょ。」

・・・・・・それはそうだけど、その老化は貴方が自分でつくりだしているかもよ。・・・・・

「そんな・・・・・・コノヒト ワタシヲ カラカッテ イルンダワ。」

・・・・・・だって、男性はお爺さんでも突っ張ったなんてきかないよ。・・・・・

「・・・・・・・・・。」

 

 

 


 

 

 


 

基礎化粧品の主成分(化粧水・乳液・クリーム)

 この基礎化粧品の主成分は基本的には水と油で出来ています。水は製整水または蒸留水を使います。油には次に示した様に3種類あります。(後程述べる添加剤もその多くは油性です。)

動物系のもの  羊の毛のラノリン 鯨ロウ 蜜ロウなど

植物系のもの  オリーブ油 ホホバ油 紅花油など

鉱物系のもの  流動パラフィン 合成エステル油など

どの油が肌にとって一番良いですか。とたずねますとほとんどの人が

「植物の油だと思います。」

と答えます。たまに動物系の油だと答える人もいます。しかし、鉱物系の油だという人はいません。皆知っているんですね。特に鉱物系の油は良くないということを。

 ところが、これらそれぞれの油を使ってクリームを造りましてラベルを貼らずに使用感を試してもらいますと、みなさん鉱物系の油で造ったクリームを選んでしまうのです。なぜでしょうか。実はその油の持つ性質がクリームにそのまま反映されるのです。植物油といえばサラダ油を思いだして下さい。ちょっとベタベタしますね。動物油ならラードなどいかがでしょう。ズルズルすると感じませんか。ところが、石油やガソリンはどうですか。サラサラしています。石油やガソリンは鉱物系の油です。したがって鉱物油で造ったクリームはサラッとしてべとつかず、のびが良いので女性に好まれるというわけです。実際は、ただ一種類の油だけで造るのではなく色々と配合します。

 

 

 

 


 この様に基礎化粧品の主成分は水と油ですが、皆さん御存知のとおり、水と油は混じり合いません。水と油は大変相性が悪いのです。一緒のビンに入れていくら振り混ぜてもすぐに分離してしまいます。ドレッシングにもありますね。使う直前に振り混ぜるというのが。ところがここに不思議な物質が有ります。「乳化剤」別名を「界面活性剤」といいます。乳化剤とは乳という字が付いているからといっても決して牛乳から採った物ではありませんよ。ちょうど脂肪分と水分がきれいに混じりあっている牛乳の様に、水と油を混ぜ合わす事が出来るという意味からきています。また界面活性剤とは水と油の境界面を活性化・・・・つまりバラバラにして混ぜ合わせる事が出来るモノという事なのです。この界面活性剤は大変便利なもので、私たちの身の回りにいくらでもあります。ほら、台所洗剤や洗濯に使う合成洗剤、シャンプーですよ。汚れを落としてくれるこの界面活性剤は水と油をきれいに混ぜ合わせる働きを持っています。

 その他にも界面活性剤には有効な次の様な作用があります。

静電気防止作用    パチパチしてヤー。

柔軟作用       ふんわりフワフワ仕上

気泡作用       クリームみたい      どっかで聞いた事ありますねェ。

殺菌作用

その他

 

 

 

 


 この様に並べ立てるといい事づくめの様ですが、実は使い方を誤ると大変なしっぺがえしがきます。作用有れば反作用・・・・おっと副作用あり、というわけです。

一般に毒物は口から入ってきます。そして人体に何らかの障害を起こすわけですが、この事を「経口毒性」といいます。またその他に皮膚から吸収されて静脈に入り障害を起こす事を「経皮毒性」といいます。

 同じ毒物をこの2つの経路で等量、吸収させるのを比

べた場合、経皮毒性の方がはるかに強い障害がおこりま

す。それはなぜかというと、口から入った物は消化酵素

に出会い、また吸収されてもある程度は肝臓で解毒され

ます。が、皮膚から直接吸収されたものは静脈に入って

いきなり全身をめぐるわけですからこれはちょっとタマ

ランわい。ということになるのです。界面活性剤や鉱物

油・ホルモン系の物質は特に皮膚を通して吸収されやす

いのです。ちなみにこの界面活性剤を経口投与した場合、

わずか1〜3gで1〜4時間以内に死亡しますが、経皮

毒性は経口毒性のわずか0.3%で死に致るとされていま

す。傷などがあると経皮吸収率は更に13倍になります。

 

 

 

 


 まあ洗剤を皮膚に塗ったら人がコロリと死んでしまった、という話は聞いた事はありませんが、ゴキブリなら洗剤をかけたことがあります。原液を直接ブッかけると瞬く間に死んでいきます。人の皮膚は本来、異物は吸収されにくく出来ているのですが、界面活性剤は皮膚表面の垢を落とすだけでなく、角質層を溶解・はく離する作用が強いので濃度は薄くても常に接触していますと簡単に浸透・吸収されて、次の様な障害が起こります。

   1 角質が熔けて保湿出来なくなり、乾燥して荒れる。

   2 肝臓機能障害が起こる。(疲れやすい人は要注意。)

   3 催奇形性がある。(近年の奇形児の出産率は増加の一途をたどっている。)

   4 有害な化学物質や紫外線の吸収・浸透を助長する。

   5 血液成分(血球)を減らす。(ほうれん草を食べてもまだ貧血の人は一考有り?)

   6 体質が酸性に傾く。(これは、万病のもと。)

   7 発癌物質の働きを助ける。

 いやー、すごいもんですね。いつも界面活性剤に触れている、主婦や理美容師の人達に貧血や疲れやすい体質の人が多いのもうなずけてしまえますね。人で実験するわけにはいきませんが、三重大学からの報告によりますと、ネズミの背中の毛を一部剃って洗剤を塗りっぱなしにして洗い流さないでおきますと、そこいらの毛がまわりまでゴソッと抜けて、二度と生えなくなってしまったという各商品別の検査結果が報告されています。また経皮吸収の毒性の研究では、妊娠しているネズミで実験すると、

生まれて来た子はほとんど奇形だった

という報告もあります。そういえば現

在、妊娠した人の流産率は4人に1人、

生まれてきた子供の10人に1人が奇

形児であるといわれているんですよ。

また私の妻が出産のため入院した所の

院長先生から直接聞いた話ですが、

「この下関の町で帝王切開は40%で

すよ。」

とおっしゃっておられましたが、これ

らの話を総合すると、現代日本の女性

の約半分は自分で子供を産み落とす本

能を失いつつあり、もしかしたら民族

全体で滅亡への行進が始っているので

はないかと勘繰りたくなるほど、寒気

を感じてしまいました。読者の皆さんはどの様にお感じになられるでしょうか?。

 話は元にかえりますが、なんと驚くなかれ、そんな恐ろしい界面活性剤が基礎化粧品には次の様な比率で入っているのです。

 

         油    界面活性剤

クリーム   約50%     約 20%    その他ロウ

乳液     約20%     約   7%

化粧水    約5〜10%   約2〜3%    その他アルコール

それぞれ温度を70〜80℃に加温したのち混ぜあわせます。ロウはロウソクでも代用出来ますが、クリームの固さを出すための物なので、色々調節して好みの固さに仕上げてみましょう。

冷えるのを待って出来上がりです。

 これでしっとりつるつるのクリームの出来上がり、というわけですが、これだけでは面白くも何ともないので皮膚のカブレのもとではありますが、香料を入れます。ちなみにその時、私は妻の鏡台の引出しからシャネルの5番をそっと盗みだし出来たばかりのそのクリームに振りかけて混ぜました。また、色つやを良くするために蛍光ペンの後のフタを開けて中のインクの芯を取り出すと、1滴、ポトリと落として混ぜたのです。素敵な色と香りのクリームが出来上がりました。

 私のそばでどんなクリームが出来るのだろうかと楽しみにしていた久子さんは私の造ったモノが出来上がるなり、腕に塗って喜んでいたのです。

「へえーっ、クリームって簡単にできるんですねぇー。それじゃあ乳液はどうやって造るんです?」

・・・・・・そのクリーム、水で薄めればいいのさ。・・・・・

「へえーっ。で、コストはいくらぐらいかかったの?」

・・・・・・100gくらい出来たから、50円くらいかな。・・・・・

「造って売りましょうよ。綺麗なビンに入れたら、1万円くらいにならないかしら。」

冗談を言っているつもりの久子さんに私はポツリとこたえました。

・・・・出来るよ。化粧品メーカーの造っている物も大して中身は変らないんだから。・・

「ひぇーっ。ねぇ、造って売ろう、売ろう。」                 

・・・・実は僕も計画していたんだ。50円で造って1万円で売る。ボロイぜ。・・・・・・

などと冗談を交わしつつ。そして界面活性剤の害を教えて上げたら、水道の所へすっとんで行って洗い流してしまったというわけだったのです。彼女は言いました。

「界面活性剤を使わないでクリームを造る事はできないの?」

・・・・残念ながら、水と油を混ぜあわせることが出来る性質を持つ物質の事を、界面活性剤と言うんだよ。水と油を使わずにクリームを造る事が出来たら可能かもしれないけど、クリームという名称自体が水と油を混合して乳化された状態の事を言うのだから、界面活性剤を使わずしてクリームを造る事は不可能なんだよ。・・・・・

「じゃあ、クリームにはすべて界面活性剤が入っているわけなの?」

・・・・そうだね。どんなに無添加であると言い張ってもクリームは界面活性剤を入れないと出来ない。薬として使う軟膏でもそのベースはクリームだからちゃんと入っている。・・・・・

(注)だだし、牛乳、卵など蛋白質を含む食品はアミノ酸の乳化作用でクリームを造る事が可能です。

 

 

 

 


 

 

 

 


 ところで、実際はこのままではまだ、販売する事は出来ません。なぜなら、油は酸化したり変質したりするからです。水でもそのまま置いておくならば、カビが生えたり腐ったりします。カビが生えた物をそのまま肌に付けてしまうというのも大変危険な事でありますから、それ相応の処置が必要になってきます。ちゃんと処理をしてその後、厚生省に販売許可の申請をすれば良いのです。

その処理とは

   紛れこんでいる雑菌を殺すために・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・殺菌剤

   微生物が中で繁殖しないように・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・防微生物剤

   カビが生えないように・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・防カビ剤

   腐らないように・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・防腐剤

を添加する事です。通称パラベンと呼ばれています。粘膜を刺激したり、アレルギーの原因ともなっています。これらが口から入ると胃腸障害・頭痛・腹痛・腎臓障害などを引き起こします。それはそうでしょう。いくら人畜無害だとは言っても、微生物が死んでしまうわけですから、なんらかの影響は考えられますよね。たとえば水道水。これはコレラが流行っても恐ろしいからというわけで塩素による殺菌処理が水道法で定められています。しかし、水道から汲んだばかりの水に金魚を入れると死んでしまうんですよね。フナもメダカも死んでしまいます。ドジョウはわりと生命力が強いので生きのいいやつだとなんとか生残ります。人間は水道水の水中で呼吸をして

いるわけではありません。

飲むだけです。だから死に

はしません。

「ああ、のどがかわいた。

 お母さん、水!」

「あらー、あなた、汗いっ

ぱいかいてるのね。ここに、

金魚を入れるとすぐに死ん

でしまう水がいくらでもあ

るわ。だからたぁーんとお

飲み下さいね。」

夫に巨額の生命保険が掛け

てあったり

なんかして・・・・・・・・・。


 その他時間がたつと油は水と分離してきたり変質・酸化するようになります。そこで

   油と水が分離しないように・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・乳化安定剤

   内容成分が変質しないように・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・変質防止剤

   油が酸化しないように・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・酸化防止剤

という具合に、これらの化学物質をどんどん添加していきますと、皮膚障害や過敏症を引き起こしたりしてきますが、まあ数年は品質が何ともない製品ができあがります。

「私の使っている化粧品は自然の物からだけで造られていて全くの無添加なのよ。」

・・・・・・防腐剤は入っているよ。・・・・・

「いいえ、絶対そんな事ないって。」

・・・・・・それでその化粧品、封を開けて

どのくらいになるの?・・・・・・

「そうねぇ、5ヵ月くらいかしら。」

・・・・・・??????・・・・・

 

 


 

 

 

 


 これで基礎化粧品としてのベースができ上がりました。しかし、これだけでは面白くも何ともありません。そこで商品に付加価値を付けるため色々と知恵を絞って考えます。

   色はパールの輝きにならないかな。それとも純潔のホワイト。

   甘くて男性の心をくすぐるような女性の香りにしたいな。

   いつまでも潤いとシットリ感が持続するためには

   お化粧崩れしないように汗や脂の出を押えられないかな。

   お肌を引締めて毛穴を小さく出来ないかしら。

   メラニン色素の働きを押えられないかしら。

   紫外線をカット出来ないかしら。

あります、あります。あるんです!素敵な素敵な化学物質が!

 

 化粧品かぶれの原因物質ワースト・ワンですが、香料。特にアルデヒド系の物は遺伝子を傷つける作用があると同志社大学の西岡教授も報告されています。約5000種はあると言われている原材料を基に色々ブレンドしてオリジナルの香りを編み出します。ためしに香水を腕などでいいですから直接塗って太陽の光に当ってごらんなさい。過敏な人はすぐシミが出来ますから。

 

 次に化粧品かぶれの原因物質ワースト・ツーは、色素。特にタール系色素の多くは発癌性が指摘されています。光にあたって刺激性を現すキサンチン系色素も変異原性が認められており、発癌性が疑われています。食品添加物では禁止されている色素もふんだんに使われています。口紅を買ったらよくその品物を見つめてください。もしかしたら、その半分は食べてしまっているのでは。

 

 いつまでもシットリ感を出すためにはプロピレングリコールなどの保湿剤を使います。この物質は水分を取込む働きが強いので、空気中の水分を捕まえる結果、いつまでもシットリした感じがするのです。ほらほらアレですよ。押入の奥などに置いて湿気をとるという、しばらく置いておくとカップ一杯に水が溜まってしまう、あれと同じ原理で潤いを保たせているのです。だから反対に乾燥した所へ保湿剤なんか塗っていくと逆に肌から水分を奪おうとする働きがつよくなります。経口毒性は強く、知覚異常や腎臓障害を起こし、溶血性もあるそうなので、男性諸氏はキスをする時は、要注意ですぞ!

 

 収斂(しゅうれん)剤を添加すればお肌はすっきり引締まります。化学物質の力で引締めるわけですから、肌は一時的に緊張していますがいずれ、ゆるんで来ます。そして長年かけて締めてゆるめてを繰返します。すると肌はだんだん、たるんでいきます。また毛穴は汗や脂、体内の毒素を出すために開いているのであって、それをいつもしめるように努力をするという事は皮膚を便秘させるという事になるのです。フンづまりにしておきながら美しくなるという、まこと不思議な事を言う人が住んでいるギョーカイを化粧品業界というそうです。ほら、ウンチだって詰ると便秘といってニキビが出やすくなったりして、体の調子が狂ったりしますよね。皮膚だって便秘すれば調子が狂ってしまいますよ。

 

 紫外線吸収剤を使えば2〜3時間はある程度、お肌に当る紫外線を減らしてくれます。しかし、2〜3時間を過ぎると紫外線吸収剤は紫外線を取込みすぎてエネルギー過剰となり、大変な刺激物へと変身して大暴れ!真黒のシミを作ったりします。でもシミって必要だから出来るんですよ。その部分がピンチに陥っているから、緊急防衛隊であるメラニン色素がその組織を救うべく集っているのです。だから紫外線にはバンバン当ってもメラニン色素が出来なくなる方法を探るというのは、皮膚癌になるために努力する様なもんです。白色人種には皮膚癌の発生率が私たち黄色人種に比べてかなり高いのですが、それはメラニン色素が少ないからです。聞く所によりますとあのレーガン元大統領もブッシュ大統領も皮膚癌にかかった事があるとか・・・・・・。

 

 

 


 とまあ、どんどん、どんどんと 打ちでのこづち よろしく、次から次へと有害な化学物質が出て来ましたがそれらを添加していきます。そして後はなんかエキスを入れます。アロエとかコラーゲンとか紫根とか・・・・・・・。これで自然派化粧品の出来上がり。お解りになって頂けましたでしょうか。・・・・えっ?・・・・良くのみ込めなかったって?・・・・もっと解りやすい言葉で説明して欲しいって?・・・・わかりました。それではビートたけしさん風にご説明いたしましょう。

「つまり化粧品ってのはサ、いくら自然だ、自然だってさわいだってサ、結局、色んな化学物質ブチこんで作らなきゃー出来ねぇしろものだっての。なんとかエキスの効能を否定するわけじゃねェけど、ほんとに効くか効かねェか、わかりもしねェくせにイメージだけで迫ってくるんだよナ。聞いてみりゃ、その化学ブッシツはいろんな副作用があるってわけだから、真実知ってる人間だったら、使えっこねェってのもあたりまえなんだよナ。だいたい、肌の手入れをしっかりしているはずの女房族の方が亭主族より、シミなんか作って、くすんだりしてるのはどういう事か、っての。亭主は亭主で年々、シミだらけになって、きたなくなっていく女房の顔を見るのがヤなもんだから、少しでもきれェになってくれるんなら、と女房がこっそりと高い金出して買ってる化粧品についても、みて見ぬふりをしてんだョな。だけどこうして真実が明らかになってきてるんだから、もすこしこの事実をみんなに知らせて賢くならなきゃいけねぇんだっていうの。わかったか、ジャン、ジャン!」

 お分りいただけましたで

しょうか。実に歯に絹着せ

ぬ物の言い方、スカッとし

ますね。日本消費者連盟の

人はぜひ、ビートたけしさ

んを宣伝講師として、お迎

えすべきですョ。あの世紀

末毒舌で真実をスパッ、ス

パッと切出してもらったら、

きっと日本国中おお受け間

違いなし。メーカーなんて

ボロクソのケチョンケチョ

ンでしょうね。でも

「ジョルト」

なんて、やっていてしかも

その党首ときてるから、き

っとムリでしょうね。

メイクアップ化粧品

 ファンデーションはタルクが主成分ですが、実は、かっ石という石の粉。それにベンガラや黒さびなどの顔料を混合して造りますが、早い話が、ペンキの成分と一緒です。固形や練り状のものほど色んな有害化学物質を添加して造ります。どうしてもファンデーションが必要という方は粉状の方が、練り状の物より、より害が少ないのでお知らせしておきます。だだし最近ではより害を少なくするために、石の粉ひとつぶ一粒を多糖体で被服する事に成功したものがあります。それだと直接肌に石の粉を接触させないですむので、より害が少ないというわけです。

 

 

 


 

 

 


 フィルムパックは水性のビニールで出来ているのを御存知ですか。こじわが取れるという通称ナイロンパックの事ですが、実は基礎化粧品等に含まれる界面活性剤で表皮の角質層は溶解はく離され、顕微鏡レベルではガサガサに荒されています。そこでビニールの持つ接着効果で一気に荒れた部分を削り取ってやろう、というものです。ちょうど大工さんがカンナで荒れた木肌を削り取る様に。でもそんな事したら、ますます角質層は薄くなってバリアゾーンとしての働きを失ってしまいます。最近、角質層の持つ重要な働きが注目され、ピーリングの害が指摘されていますが、その事については第3章で述べていきます。どうしても荒した角質層をはぎ取りたければ、ガムテープでペタペタやれば同じ効果が得られます。また、ビニールで20〜30分も皮膚細胞を窒息させていれば、剥がした時にスッとして爽やかな感じがするのは当然です。2〜3分間、鼻と口をつまんでいてごらんなさい。息を吸った時、気持ちよく感じるのは当たり前です。クリームパックも クレイパックも原理的には同じです。しばらく皮膚を窒息させ、角質層を薄く剥ぎ取るという事において。だから、そんな大変な物だから、目の周りや口の周りには塗ってくれるな、と注意書きが付いているのです。こじわが取れるなんてほんとかしら。一時的な気休めにはなっても繰返すうちにますますこじわが増えますよ。水性のビニールペンキと中身はほとんど変わらないんですから。貴方、顔に塗りますか?水性のペンキ。一缶買えば、一生使えます。

 

 

 

 


 その他、口紅も気を付けて下さい。

ほほ紅も、アイメイクアップも、マ

ニキュアも。特に香水、コロン類は

要注意!

 

 

 


シャンプー・リンス類

・・・・・・石鹸で髪洗える?・・・・・・

「だめ。石鹸は髪を傷めるから、後、ガシガシのバサバサになっちゃう。」

・・・・・・じゃあ、髪を傷めるほど石鹸って悪いのかな。そんな物で体を洗っていたら体の皮膚も傷めて悪い事になるんじゃないのかな。・・・・・・

「・・・・??・・・・・」

 

 実はシャンプーに使われている洗浄剤としての界面活性剤は、洗浄力が強烈で汚れはおろか、毛髪のキューティクルまで溶解はく離してしまいます。そこで、そのままでは毛髪の水分が保てず、バサバサになってしまうので水性のポリエチレンでコーティング、つまり被膜しようというのが、リンスなのです。だから一度合成シャンプーを使い始めるとリンスは必需品となってしまいます。それでたまに石鹸で洗ってみると、傷んだキューティクルをコーティングしてくれるポリエチレン成分が無くて残らないものですから、傷んでしまった様に感じるだけの事なのです。ですからシャンプーという物が出回るその昔、石鹸で髪を洗ってもなんともありませんでした。またこの界面活性剤は角質層を溶解はく離しますから、頭を洗えば洗うほど、フケとなって角質層がかたまって剥がれていきます。そしてカチオンの働きで、頭皮にまで成分を残留させますから、それがまた刺激となってカユミやフケの原因となってしまいます。ひどい場合は炎症を起こしてしまいますし、脱毛の原因になります。最近、女性の脱毛が増加していますが、あまりにも強烈な界面活性剤を使用するからです。ただし、一度傷んでしまった毛髪には石鹸は少し強いでしょう。なぜなら、石鹸はアルカリなので、すでに傷んで

しまった毛髪を多少膨潤させてしまう

からです。髪の自然なツヤとは人工的

に化学物質を使って出せるものではあ

りません。まず、キューティクルを傷

めない、弱酸性で殺菌剤などの入って

ないやさしい物に変える事が必要です。

大人でもストレートの髪の人はリンス

など使わなくても、じきに子供の様な

ツヤツヤとした天使のワッカが現れて

きます。

 

 

 

 


 とまあ、色々な化学物質を練りあわせて化粧品というものは造られているわけですが、化粧品とは何か、と問われた時、一言で言い表すとしたら次の様に答えるのが一番適切であると考えられます。

   化粧品とは、それは色々な有害化学物質の集合体である、と。

 

指定成分表示義務

・・・・・・あのね、化粧品の箱などに内容成分が表示してあるのを見た事があるでしょ。たとえばここにAとBという2種類の化粧品があるとして片方には内容成分がなんにも書いてない。ところがもう一方には成分表示がしてある。この場合、どちらが安心して使えると思う?・・・・・

「そりゃぁ、成分の表示している方に決ってるわ。」

 

 実は今から約十数年前化粧品によるトラブルが表ざたになり始めました。そこで厚生省としては、消費者に注意を促すため、昭和56年に障害を起こす可能性の高い物については成分を表示する事をメーカーに義務付けたのです。したがって、有害化学物質だから表示しているのであって、有害でなければ何が入っていても表示する義務はないわけです。ところが、かしこい?メーカーは自分の所で有効成分としている何とかエキスと一緒の欄に書き並べていますから、消費者は書いてある物質名はいいものだ、と錯覚させられているにすぎないのです。

 また、化粧品は薬事法の制約を受けていますが、そのなかで、シミが治るとか、これに効くとかいう様な効能・効果を絶対に謳ってはいけない事になっています。賢明な読者の

皆様はもう、お気付きだと思いますが、これはメーカーをいじめるために有るのでも何でもなく、化粧品とはそんな効能・効果が有るもので出来ているものではありませんよ。という消費者のサイドに立って?行政指導をしているからなのです。

 

 

 

 


化粧品は使う人によって合う、合わない、がありますが、なぜですか。

 ここに50種類の有害化学物質で出来た化粧品と20種類の有害化学物質で出来た化粧品があるとします。当然、アレルギー反応はより多くの化学物質で造られている方が、少ない方より、より多くの人から出てきます。また人によって過敏に反応する物質がそれぞれ違いますから、この化粧品ではアレルギーが出てもあの化粧品には反応する化学物質さえ入っていなければ、それが肌に合っている、と言っているだけの事なのです。しかし、相手は有害化学物質。今は耐えていられるからといって、今後も耐え続けられる保証はどこにもありません。そのうち抵抗力が落ちた時点でギブアップということになります。たとえるなら、私は今健康な成人男子ですが、プロレスラー、いや議員先生のアントニオ猪木氏に10人がかりで喧嘩を挑んでもかなわないかもしれません。しかし30〜40年後、時の若いもんが10人がかりで猪木氏に挑んだらきっと猪木氏だって負けるに決ってます。

 「私はどんな化粧品でも大丈夫。」と言う人は大変皮膚が丈夫なのです。しかし、いずれは30〜40年後の誰かさんです。「今、肌に合っている化粧品を使っている。」とおっしゃられる方、今はまだ皮膚が耐えてくれているだけの事ですよ。でも一度、普通の石鹸で洗顔して、そのまま何も肌に付けないでいてみてください。20〜30分経っても突っ張る様なら、それは「累積性皮膚炎」といって毎日毎日、化粧品を使用して起こる化粧品皮膚炎の症状なのです。素肌に自信が持てますか?

 約10年前までは化粧品は「入れる競走」でした。あれが入っている、これが入っている、と。しかし有害化学物質の表示が義務付けられる様になってからは「抜く競走」になってきたようです。香料が入ってない、とか色素が入ってない、とか。そして有害化学物質を限りなく抜いていくと、それは限りなく水に近づいてしまうのです。それがどこの何とは申しませんが、5000円もしたりして・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 


第2章  皮膚の構造とその働き

 

 

 

 「あいつはツラの皮が厚い」などと表現する事があります。どういう意味から来ているのでしょう。

 ずうずうしい・横着が平気である。

 苦言に対しても厚かましく構える。

 普通は苦に感じる対人関係もどうどうとやりこなす。

とまあ、良くも悪くもどちらにも解釈して使われる言葉でありますが、共通する意味合いがありますね。

 自分を通す・・・・・・・・・・・・他人を入れさせない

 刺激に平気である・・・・・・抵抗力がある

「皮が厚い」と言う事は自分たちと比較しての事でしょう。

刺激に対して抵抗が強いと言う事は、つまり内側を守る力

が強い、という事です。その内側を守る働きの有る境界の

事をバリアゾーンといいます。

 ところで、もし、人間に皮膚が無かったら。・・・・・・・・

それはきっと宇宙人ではなくて巨大なナメクジだと思います。

太陽の光なんてとてもとても。そんな刺激にはかないません。

乾燥して干からびちゃいます。時々、見掛けますよね。銀色

に光るすじをずっとたどって見ると、暗い湿った物影へ逃げ

遅れた哀れな殻を持たないでんでん虫が、途中で力つきて、

干からびて死んでいるのを。そして細胞膜がむきだしです

から、塩なんかかけられたらいっかんの終りです。浸透

圧の働きで、体内の水分がどんどん引っ張り出されて、み

るみるしぼんでしまうでしょう。・・・・水分が絞り出されてし

ぼむ・・・・ン?・・・・いや、漬け物ですよ、塩は大変濃い電解質

ですから、キュウリやナスの水分を引っ張り出すでしょ。

 常に体表からぬるぬると粘液を分泌し、通った後も、さわ

った物もべとべとと分泌物が付着し、乾燥を避けるため夜に

なってずるずる這い回る、夜行性の生き物となっていたに違

い有りません。せめてウロコさえあればヘビとして・・・・・・・・


 皮膚が無かったら大変ですね。皮膚は私たちの体の

内部を保護して、生命を守ってくれるとても大切な器

官なのです。乾燥や光からだけではありません。目に

見えない紫外線、細菌、公害によるスモッグ、化学物

質、それと化粧品に対してもバリアとして頑張ってい

るのです。

 そんな大切な器官ですから重さも体重の約15%も

あり、面積は標準的な成人で約1.6u、畳1枚分あ

ります。その皮膚は下から順に皮下組織・真皮・表皮

の3層で構成されています。慣れない力仕事やたまに

鉄棒などすると、手にマメが出来て、それでもなお、

そのワークを続けていると、ついには破れてしまいま

す。これは度重なる刺激で真皮と表皮の間が剥がれて

しまうからです。長期間にわたる物理的刺激は表皮の

角質層を厚くしてついにはタコとなってしまいます。

座りダコ、ペンダコ、空手ダコ。耳に出来るタコは見

えません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


☆ 皮下組織

 大部分が脂肪です。体熱の放散を防いで体温を保持する他、クッションの役目をして外部からの物理的刺激から体を守っています。

 

☆ 真皮

 ゼリー状の物質で出来ており、一部毛細血管が分布して表皮に酸素と栄養を送っています。真皮の大部分を占める網状層は膠原繊維・弾力繊維・格子繊維などの繊維成分が主でスプリングの様な構造で皮膚に弾力性をもたらしています。

 

☆ 表皮

 白くて透き通る様な肌、つやの良い健康そうな肌、きめの細かいなめらかな肌。それに対して、くすんだ肌、つやの良くないかさついた肌、脂焼けしたヌラヌラと光る肌。これら美容上の問題は大部分が表皮の状態ひとつで決ってしまっているといっても過言ではないでしょう。造作だけは美容整形外科にでも頼らなければ?どうしようもありませんが、美しい素肌を取戻すということは、皮膚の働きを正常にするというだけの事ですから、活性理論をより納得する上でも、ここの表皮の構造だけは特にしっかりと頭に入れておいてください。そうすれば、第3章で述べる色々な皮膚トラブルの原因がはっきりと理解出来ます。

 表皮は一番下の基底層で生まれて状態を刻々と変えながら、最後に角質層となり、後は垢となって剥がれていきますが、その特徴ある状態を4つの層に種類わけしています。

 

 

 

 


基底層

 1層で構成され、表皮の母体です。この層の細胞分裂によって生まれた細胞は次から次へと上層へおしあげられます。また、メラニン生成細胞があり、正常時は一定のメラニン色素を生成していますが、紫外線が強く当ったり、角質層が界面活性剤などで侵されて異物が侵入して来た時などにメラニン生成が活発になります。

 

有棘層(ゆうきょくそう)

 5〜10層で構成されています。細胞と細胞の間にすき間があり、そこをリンパ液が流れて、栄養を補給するようになっています。

 

顆粒層

 1〜2層で構成され、光を強く屈折させるケラトヒアリンという顆粒を含んでいます。

 子供の肌や衣服に隠れている所の肌など、皮膚がツヤツヤしているのは、ここの組織が健康で正常に働いているからです。紫外線も屈折させ下部への侵入を防御しています。

 

角質層

 基底層より、有棘層、顆粒層とそれぞれの状態と働きを変えながら進んで来た細胞は、いよいよここでつぶれて、約400分の1oという、扁平なケラチンという硬タンパク質になり、20層くらい重なって角質層を形成します。

 透明感のある美しい肌というのは、この角質層がどういう状態であるかできまってきます。20〜30%の水分と5〜7%の脂分を含んでいて、肌にうるおいや張りを与えています。くすんだ肌やカサついた肌というのは、界面活性剤などにこの角質層が溶解はく離されてしまう結果、なめらかさを失ってしまって出来るわけです。

 また、バリアゾーンとして雑菌や異物の侵入を防御しています。(有害な化学物質はこのバリアゾーンを破って入ってくるのです。)

 (注)つい最近までは、この角質層は死んだ細胞としていらない物であると、考えられてきました。しかし現在では、この角質層の正常な形での存在こそが、健康な皮膚代謝の鍵である事が分ってきています。従ってピーリングやパックなどの人為的はく離は皮膚の老化を促進します。

 

汗腺

 エクリン腺とアポクリン腺の2種類がありますが、発汗作用によって体温調節をする他、疲労物質や有害金属などを排拙する大切な働きがあります。また、汗は角質を潤して肌を滑らかにし、皮脂と結びついて皮脂膜を形成します。

 

 

 


 

 

 

 


 お化粧くずれや、べたつきが嫌いだからといってなるべく、汗をかかないように努力していますと体内に毒素が溜まって疲れやすい体質になります。肌も、つやを失います。汗の出を押えるという様な化学物質は使わないようにしましょう。ちなみに体内に毒素が溜まりすぎた時、私たちの自然治癒力は突如として体温を上昇させ、発汗を促そうとします。それを俗に「かぜ」といいます。冬にかぜをひきやすいのは、汗をかくことが少なくなるからです。なお、ウイルスによるかぜのことは「流行性感冒」といいます。

 

皮脂腺

 1日約2gの脂が分泌され、汗と混じって厚さ2000分の1oという皮脂膜を形成します。皮脂膜は皮膚表面を覆って、肌を乾燥から守り、なめらかな状態に保ってくれる他、細菌の繁殖を防いでくれます。皮脂の約3分の1が酸性の脂肪であり、汗も弱酸性なので、健康な肌は常に弱酸性を保っているからです。

 クリームや油を常に塗り続けていると「廃用性萎縮」といって、本来人間が持っている皮脂分泌機能が必要無くなり、退化してしまいます。

 

天然自然クリームの造り方

 健康な人の場合、何もしないで、なるがままに任せておけば皮脂腺から脂が、汗腺から水分が分泌され、皮膚表面の常在菌などの働きによって乳化されて天然のクリームが出来上がります。ただそれだけです。簡単でしょ。ただし、人為的にクリームや油分を付けていた人の場合は、ほっておけば皮脂腺本来の力が回復するまで普通の人で約2ヵ月、遅い人ですと3年はかかります。ピリピリしたり、フケの様に粉をふいたりします。ちなみに、この様な場合は洗顔時に石鹸は適しません。皮膚はアルカリに敏感になっているからです。わずかではありますが、アルカリの膨潤(ふやける事)作用によって回復がおくれますし、分泌機能の弱っている肌では、アルカリは雑菌の繁殖を許してしまう事にもなります。水だけの洗顔、または弱酸性の殺菌剤の入っていない洗顔粉がいいでしょう。

 

 

 

 


正常な皮膚代謝(ケラチニゼーション)

 基底層で生まれた表皮の皮膚細胞は有棘層、顆粒層、角質層を経て垢になっていくわけですが、正常な状態の時、角質層になるまで14日間、角質層になって垢となって剥がれ落ちるまで14日間、計28日間周期で繰返されています。これを角化現象「ケラチニゼーション」といいます。

 界面活性剤や熱、その他なんらかの刺激でこの周期を狂わせたり、角質層を傷めたりしますと、傷んだ角質層の下では基底細胞での細胞分裂が正常に出来ず、分裂の足並が乱れます。足並が乱れて出来た細胞は正常な角質層を形成するのが難しい、というわけで、ほっておくと本当に健康な人でない限り、角質層の回復は長引きます。3年経ってもまだ粉を噴いたり、ピリピリするというのはそういうわけだからです。

 

 

 

 


 

 

 


皮膚の主な6つの働き

 だいたいここまでで、皮膚というものの大切な役割が理解して頂けた事と思いますので、その他の作用も含めて、ここでちょっとまとめてみましょう。

☆ 保護作用

高温、低温、乾燥、紫外線、有害化学物質、化粧品、打身などの物理的刺激をバリアとして受け止めて体内を守る。

 

☆ 分泌作用

汗や皮脂を分泌して皮脂膜を形成し、PH値を弱酸性に保ったり、体温調節を行なう。

 

☆ 排拙作用

汗腺より汗として老廃物を排拙する他、尿では排拙されにくい有害金属なども排拙される。老廃物としての乳酸や尿酸は酸性なのでばい菌の繁殖を防ぐ役目も持っている。

 

☆ 吸収、浸透作用

吸収とはある物質が皮膚を通して体内に入り、細胞内に取入れられる事をさします。

浸透とは単に皮膚の組織の隙間に入っていく、という意味です。

本来、皮膚は角質層がバリアゾーンとして働いているため、異物は吸収されにくいのですが、油性で分子量の小さい物や、界面活性剤の様な角質層を溶解はく離する働きのある物はそれ自体が吸収される他、他の異物の吸収をたすけます。また水溶性の物質であっても分子量が小さい物はある程度浸透し、細胞にとって必要な成分であるならば積極的に吸収される事が最近分って来ました。角質層がかなりはく離している場合は、物質のよしわるしに関係なく吸収は増大します。

 

☆ 知覚作用

真皮には、知覚神経が網の目の様に張りめぐらされていて、その末端は表皮にまで入りこみ温覚、冷覚、圧覚、痛覚などの神経があり、情報を素速く脳に伝えます。

 

☆ 呼吸作用

肺呼吸の約180分の1ほどのガス交換が行なわれています。体全体からみればほんのわずかですが、皮膚呼吸が出来なくなると生死にかかわります。

 

 こうして見てきますと、皮膚の美しさ、健康というものは自然に任しておく方が、おかしなお手入れをするよりよっぽどましだ、という事が分ってきました。有害化学物質や界面活性剤、また自分本来の物でない油を塗りたくってマッサージするという事は、有害無益なのです。(一時的な気休めにはなります。)パフやナイロンブラシも大切な角質層をどんどん削り取ったり、あるいは、ひ厚させてしまう結果となるだけで、全く良くない事です。こんなお手入れをしっかりやった後で紫外線に当ったらもうアウトです。くすみ、シミとなってつやのない汚らしい肌となります。もちろん、長年のうちに肌のたるみさえ引き起こします。おかしなお手入れさえしていなければ、紫外線に当って日焼けしてもツヤがあって張りもあり、健康的で美しいのです。また、お年を召されて、皮脂が出にくくなったとおっしゃられる方も、安易に油分を塗るのではなく、まず自分自身の皮脂が出て来るよう皮膚を活性化する事に努力して、それでなお且つ足らない所は、人間の皮脂により近い脂を少量補ってあげる様にすると良いでしょう。

 

 

 

 


 

 

 

 


第3章   皮膚トラブルの原因

 

 

 

 健康の上で起こる皮膚トラブルとは正常な皮膚の働きが乱されて引き起こされるわけですが、ここではその原因となるものと、そのわけをみてみましょう。

 

皮膚トラブルを引き起こすもの

☆ 各種の物理的刺激

   ピーリング(エスティックなどで行なわれる角質層を削り取る事。)

   ナイロンタオル、フェイスブラシ

   スクラブ洗顔(ザラザラした、つぶ状の磨き粉が入っている。)

   けが

   表皮を摩擦するマッサージ、顔剃り

 

☆ 生物の毒、刺激

   みず虫(カビの白癬菌)

   有害な毛虫、蜂、蟻、蚊、ムカデ、クラゲその他

 

☆ 化学物質の刺激

   界面活性剤(化粧品・洗剤)、有害化学物質、強い酸・アルカリ

   油脂(特に鉱物系)

   ホルモン剤の塗付(ステロイドは使い続けるとトラブルが起こる。)

 

☆ その他

   火傷

   紫外線

   金属アレルギー

 

 

 


 これらは全て、皮膚の働きを低下させ阻害するか、破壊するものであるといえます。また、これらの原因を良く見てみると、良くない事が明らかに分っていて避けようと思えば避けられるもの(どうしようもないものも含む)、しすぎると良くないもの、良いと思ってやっている事、のだいたい3種類に大別できます。

 しかしここで美容上問題になってくるのは、しすぎると良くないものと、良いと思って実行している事、という2点についてですが、ここまで本書をお読みになってこられた方はだいたい、ご推察いただけると思います。

 一回で害が出ることならば誰にでもわかります。しかし一時的に良いように思われるものが実は「くせもの」なのです。その時の感触は良くても繰返し繰返し実践しているうちに、だんだんと皮膚(特に角質層)を破壊してしまうのです。

 ピーリングやフェイスブラシ、しすぎるマッサージなどは、行なった直後はなめらかな感触が得られますが、

   角質層をどんどん薄くしていきます。

   また界面活性剤は角質層を溶解はく離するためこれも同じです。

   そして角質層を穴だらけにしてちょうどザルの様にしてしまいますから、

   肌荒れを起こして表皮の保湿が保てなくなり、

   乾燥して萎縮したり、

   異物の侵入を助けたりするわけです。

   油分は毎日塗り続ける事によって自分自身の皮脂分泌力を退化させてしまいます。

 

 

 

 


 特に界面活性剤と油の混合物であるクリーム、乳液、化粧水はいったん使い始めると軽い麻薬の様なもので、なくてはならない物となり、使わないと禁断症状が出て来る様になります。

そのわけは、

   界面活性剤で角質層を穴だらけにして保湿力を失わせますから、

   肌は乾燥するので、油分で乾燥や肌荒れを防いでやる必要が生じ、

   人為的にクリーム等で油を補ってやるから、自分で皮脂を出さなくなり、

   油分を補う必要が生じるから、クリーム等を塗る結果となり、

   そのクリーム等には界面活性剤が入っていて・・・・・・・

 

従って、この様な悪循環を断ち切りますと禁断症状がでます。

   角質層が薄くなっていて穴だらけなので保湿力が低下して、

   乾燥萎縮してしまうが、

   それを補う皮脂分泌もしばらくの間、回復してこないので

   潤う事もできず、突っ張ります。

   さらに抵抗力が低下しているので、雑菌等により炎症がおこります。

 

今まではクリーム等に含まれる殺菌剤等が雑菌と戦って繁殖を防いでくれていたわけです。またそういう有害な化学物質を付けないでいる事によって自然治癒力が高まって来ますから、

   皮膚に吸収されていた異物の排拙反応が始ります。

   従って毛穴が開いて来たり、

   ブツブツが出てきます。

悪い物は出てしまわないと良くなりません。

 

 

 

 

 

 


 その間ピリピリしたり、ほてったり、しみたり、突っ張ったりするわけですが、早い人で2ヵ月、遅い人で3年は忍耐を要せられます。この症状は第4章で述べる活性化を実践しても、必ず通り抜けなければならない課程ですが、何もしないでいるよりは、その不快な症状をずっと軽減し、短期間(約2週間〜1ヵ月)で通り抜ける事が出来ます。 

 物理的な刺激の与えすぎは

   角質層を削り過ぎる事となり、

   削りすぎると今度はホメオスターシスが働いて肥厚する様になる。

   肥厚するから削りとる・・・・。顔は足の裏とは違いますよ。

 

 油分を与えすぎると皮脂腺が退化する他、垢となって剥がれ落ちなければならない角質層が剥がれず、肥厚してしまう。

 余談になりますが、イカなどを毎日大量に素手で扱っている漁師さんは、イカの油で手のひらの皮が踵の皮より肥厚(2〜3o)し、ゴツゴツになっていて、黄色く変色していますが、以外ともろくてひびだらけです。

  アルカリ性は角質(ケラチン蛋白質)層を柔らかくしてしまうので(ミネラルとしてのアルカリは除く。)細菌が繁殖しやすくなったり、刺激に対しての抵抗力が弱まります。ただし、皮膚が健康な時は、石鹸程度のアルカリは問題ありません。すぐに洗い流してしまいますし、皮脂腺と汗腺の働きが正常なのですぐに皮膚本来の弱酸性へと回復するからです。

 

 このように見てきますとどうもポイントは角質層にあるようですね。そうです。このケラチニゼーションをいかにスムーズに行なわせるかが、真の美容法といえるわけです。そのためには角質層を削りすぎてもいけませんし、肥厚させてもいけないわけです。有害化学物質や余分な油を使わずに、正常な角質層(20層)が形成されているなら、他の全ての循環がうまく行なわれるようになります。

 

 

 

 


 それでは次に美容上、皮膚の3大トラブルといわれるシミ・ニキビ・シワの原因とそのわけ、対策と予防についてご説明したしましょう。

 

☆ シミ

 女性のシミの患者は戦前と比べて40〜50倍に増え、現在でも男性の50倍いると言われています。シミ、くすみ、色ぐろ、日焼けは紫外線に当るから起こる事です。しかしできる課程と見た目、そしてその後の消えゆく課程に大きな違いがあります。普通、紫外線に当りましても角質層が正常であるなら、その下の顆粒層が光を強く屈折させてくれるお陰で紫外線の過度の浸透を妨げてくれます。そしてなお浸透してきた紫外線の刺激を受けて酵素の働きで無色であったメラニンが活性化され、茶色くなります。海水浴に行ってその後、水着の跡がはっきりつきますが、紫外線に当らない所は日焼けはしません。紫外線に当った所が満遍にムラなく茶色になります。つやのよい、俗にいう小麦色です。その後紫外線に当らなければ垢となって自然に表皮より排拙されていきます。そうすればまた元通りになります。

 ところが界面活性剤や物理的刺激で、角質層が穴だらけのザル状になっていたり、傷ついていたりすると保湿が保てず表皮は萎縮しています。当然、顆粒層も本来の働きがはたせず、過度の紫外線の浸透を許してしまいますから、その部分は特にメラニン色素が造られます。化学物質で角質層が傷ついているとはいっても、その傷つき方は一定ではありませんから、ムラになってきます。これが普通のしみです。クリームを塗ってしっかりマッサージした所に出来やすいようですが、ケラチニゼーションが正常であれば、シミが出来た時に間違った手入れをすぐ止めると、約1〜2ヵ月で自然に取れていきます。

 ところがこれは大変とばかりに界面活性剤(主に基礎化粧品)や薬を塗り続けたり、マッサージでこすり落とそうとしたり、メイクアップ品で隠そうと、しっかり手入れ?をしますと、ケラチニゼーションを完全に狂わせてしまいます。こうなってしまいますと治るのに大変時間がかかります。

 更に手入れを続けていると、メラニン色素が基底層を破って真皮まで落込んでしまったり、有害成分が色素沈着を起こすようになります。こうなってしまったらもう「入れ墨」の様なものです。垢として自然排拙はされませんから、血管へ少しずつ排拙されるのを待つしかありません。新陳代謝の良い人ならばそれこそ数年間、何もしないで(合成シャンプーやパーマ、ヘアダイもだめ。)待っていれば回復してきます。しかし新陳代謝の悪い人、どうしてもメイクが必要な人はダメです。

 また軽い火傷を負ったとき、完全回復しないうちに紫外線に当りますとこれも治りにくいシミになります。その他、香料や色素が危険です。

 また高齢になって現れるシミは体内のS.O.ディスムターゼという酵素の不足や過酸化脂質が原因と言われていますから、化粧品を止めても関係ありません。他の方法で比較的簡単に治る様です。

 肝機能障害を起こして比較的重症になってきますとシミが出て来ますがこの場合、皮膚全体がドス黒くなってきたり、目のしろい部分が変色したりしてきますから、化粧品によって起こるシミとは明らかな違いが有ります。

 シミの出来やすい体質ということでみてみますと、女性ホルモンの乱れ、貧血、ストレス、消化器官の障害などがある、酸性体質の人ほど出来やすい、ということになります。また、出来てしまったしみは疲労が重なったり、紫外線に長く当ったり、生理・出産の前後などに濃くなります。

 レモンでパックして2〜3日間以内に紫外線に当るとシミが出来やすいので、要注意。経皮吸収させてのビタミンCのシミ取り効果は医学的に証明されてはいません。

 ちなみに、刑務所で数年お努めになられた方は人もうらやむ素肌美人に大変身するそうです。しかし、とても残念な事は、美人になりたいという理由では入居する許可がおりない事です。

 最後に繰返し申上げますが、

   シミはその人のその部分に、その時点では必要だから出来た、

という事です。その部分を傷めに傷めつけてしまった結果、このままでは大変な事になるというわけで生体の防衛システムが働いたわけです。

紫外線や有害化学物質が次々と侵して来ます。

   第1バリアゾーン・・・・皮脂膜・・・・・・界面活性剤のお陰で突破!

   第2バリアゾーン・・・・角質層・・・・・・界面活性剤や刺激のお陰で突破!

そして第3番目に現れたバリアゾーンが「シミ」というわけだったのです。

従って「シミ」は正義の味方・・・・いや、・・女性の味方・・・・いや、・・・・・・えーと、そうです。

・・・・・・健康の味方だったのです。この味方は用が済んだらオサラバします。

 よく、シミとソバカスを一緒に考えている様な表現に出会いますが、シミとソバカスは成立ちの原理が違います。シミは本人が造ってしまうものですが、ソバカスは遺伝の問題であり、治す事は出来ません。ただし、皮膚の活性化をしながら余計な紫外線に当らないようにすれば、半分程度に薄くはなります。

 

 

 


 

 

 

 


 

 

 

 


☆ ニキビ

 男性ホルモンの過剰、胃腸障害、便秘、卵巣機能障害、自律神経の失調、ビタミンB2,6 の欠乏、等により皮脂の分泌が過剰になる事が原因です。しかし皮脂が多すぎるだけでニキビになるというわけではありません。異常に分泌された皮脂が皮脂腺の出口で細菌に侵蝕され、その分解生成物が毛穴をふさぎます。そこに皮脂がたまり半固形化したものをコメドといいます。

   このコメドに汚れが付着して黒くなっているものを黒ニキビ、

   毛穴が肥厚角質でふさがれているものを白ニキビといい、

   たまった皮脂に細菌が繁殖して炎症を起こしているものを丘疹、

   更にこれが化膿したものを膿胞といいます。

 

 

 

 


 

 

 

 


主な要因

思春期になると男女問わず、男性ホルモンが分泌され、皮脂の分泌が盛んになってきます。酸性食品の多食等により、宿便がたまってこの毒素が再吸収されて皮膚から排拙されたりします。また過剰分泌される割に、毛穴が小さく充分開いていないし、皮脂以外の分泌物も盛んになってきて雑菌が繁殖しやすくなっています。過剰な皮脂は角質層を肥厚させ、毛穴をふさいだりもします。このような状態の時、油性のものをたくさん食べると1〜2日もすればブツブツと出始めるわけです。

 従って手当と予防は清潔にする事が大切です。

   良質の洗顔料で1日3回以上ていねいに洗う。

   油性のクレンジングクリーム等は使わない。

   メイクアップは症状を悪化するので避ける。

   便秘は治し、酸性食品を避ける。

 

 「学生時代は人も羨むほどきめの細かい、きれいな肌だったのに、社会に出てから便秘をしているわけでもないのに、ニキビが出来る様になった。」

と言う人がかなりいます。

そういう場合は、化粧品に含まれる化学物質の作用がケラチニゼーションを狂わしてしまっている事が原因と思われます。

「気になるニキビはお化粧で隠さなくっちゃ・・・・・・。」

気持は解りますが、お化粧でニキビは隠れません。また、爪でいじったり潰したりすると、跡が赤くハレて残ったり、紫色になったりするので余計におかしくなります。そこへニキビ予防の殺菌剤を塗ったりと、中途半端な手入れをしていると、長年のうちに肌はでこぼこになっていくので、気を付けましょう。

 

 頬からあごにかけてニキ

ビが発生しやすい人はシャ

ンプーを疑って下さい。シ

ャンプーやリンスはカチオ

ン(陽イオン)の働きで成

分を被覆させたり、残留さ

せるようにしてありますか

ら、その成分によって肌が

刺激を受けています。


 化粧品を切り替えたらニキビが治った、という場合があります。その原因には主に次の3つが考えられます。

   中に含まれる殺菌剤が殺菌効果を発揮して化膿を防いだ。(何年経っても腐らない      程沢山の薬品が入っている)

   界面活性剤が肥厚している角質層を溶かして、皮脂の排拙が良くなった。

   中に含まれる油分で皮脂の出が押えられた。(皮脂腺が廃用性萎縮を起こした)

どれも一時的には効果を発揮するでしょうが、使い続けるとどうなるかは今までに説明してきているので、お解りいただけていると思います。界面活性剤の利点を生かした一時的な使い方ならまだしも、油分を与えて皮脂の出を押えるというのはとんでもない話です。皮膚は排拙器官として大切な役割を担っているのに、出すものが出せないということは老廃物が溜まって皮膚が便秘し、老化するという事ですから。

・・・・・・いや、見方を変えると、皮脂腺が退化し

たという事は老化してきているともとれますので、

「皮脂腺を老化させたらニキビが治ったわ。だっ

て年をとって来ると、皮脂の出が悪くなるからニ

キビなんて若い人の様に出来たりしないでしょ。」

なんていって、喜んだりなどしてはいられないわけです。

 

 

 


☆ シワ

 体のどの部分にシワは出来やすいでしょうか。

普通、20才の人のおしりの皮膚と60才の人のおしりの皮膚をルーペで拡大して見ても、その違いはほとんど分りません。ところが顔や手足の皮膚は明らかに違いが分ります。人間誰でも年を取ると体を鍛えて引締める努力でもしなければ、たるみが出てしまうのは当然の事ですが、それはさしおきましても表皮自体は、衣服で隠れている所は綺麗なのです。ところが、時々テレビで見掛ける、アフリカなど太陽の強烈な光の元でハダカで暮している人達は、30才を過ぎると大変シワが増え、40才を越えるとそれこそ、顔や手足はおろか、おっぱいやおしりまでしわしわになっています。

 なぜでしょうか。

おおよそお分りになって頂けると思いますが、シワの大敵は紫外線なのです。そういえば、常に露出している顔や手に一番シワが発生しますね。一番良く紫外線が当るからです。

 紫外線は日焼けやシミの原因になるだけでなく、皮膚構造を破壊し乾燥させてしまうのです。潤いと弾力性が無くなってくるわけです。また、化粧品や油を毎日多めに使っていると、角質層が剥がれにくくなって、肥厚してしまいます。角質層が肥厚してしまうとケラチニゼーションが正常に行なわれなくなります。

 理想的な角質層は20層で水分が20〜25%です。角質層が厚くなって肥厚してしまえば、水分が充分に行渡らなくなり、

理想状態と比べてみると水分

比率が低く、乾燥した状態と

同じ結果になっています。

 厚いメイクアップをしたり、

化粧品に含まれる化学物質の

種類によっては肌を乾燥させ

る原因になります。

 従ってシワにならないため

には紫外線に当らないよう、

肌に異物を塗らないようにす

るしかありません。

 


表情ジワと小ジワ

 長年の表情のクセによって出来た皮下脂肪の減少による表情シワは、今の科学では自然に治す事はまだムリです。美容整形での「シワのばし」は人相が変ってしまうそうですし、一時、あっという間にシワの消える不思議な薬がアメリカで発明され、話題を巻起こしかけましたが、発癌性があり、しかも塗り続けなければならない、ということで、話は消えてしまいました。

 ところで小ジワの場合は、シワの溝の影響が皮下組織にまでは及んでいませんし、角質を肥厚させないようにしてやりますと、比較的簡単に消えてしまいます。特に、クリームなどを塗って小ジワを防いでいると感じていた人は、実は界面活性剤などで肌が荒されていただけの事ですから、皮膚の活性化を図ると早い人は次の日から、遅い人でも約1月前後で小ジワは消え始めてきます。

 肌の潤いが季節(温度)に左右されるのは発汗量と湿度の違いです。汗や皮脂の分泌の少なくなる冬は空気も乾燥しているので、肌は、大変乾燥しやすくなっています。小ジワが出来やすい季節ですが、安易にクリームなどの油分やワックス分で肌荒れ・小ジワを防ごうと考えて使い続けるのは、よした方がよさそうです。それ自体がいずれ、肌の機能を退化させるからです。皮膚の活性化を図ると同時に、有害な化学物質でない、生体内にも存在している様な、保湿効果のあるもので夜も昼も潤いを保たせる様にし、良質の洗顔料で刺激をあまり与えないようにして洗顔し、不用になった角質を徐々に取り去っていく事が、大切です。

 

 

 

 


☆ その他

 水虫は白癬菌というカビが角質層に住みついているのが原因ですが、誰でも水虫にかかるわけではありません。ではどんな人がかかるかというと、皮下に疲労物質などの毒素がそれこそ触っても分るくらい溜まってしまって血行不良になっており、皮膚の活力が失なわれている人です。だいたいカビなんてものは死んだものか、腐ったものに生えるわけですから、水虫が出来た、ということはソコの細胞がもしかしたら死にかかっている、ということかもしれないのですから、水虫をやっつける薬を塗るよりも、皮下の毒素を取り去り、皮膚の活性を図って活力を取戻させる事が先決です。

 水虫を根治する薬は大変難しいと言われています。何故かというと、白癬菌は大変強力な菌であり、角質層の奥まで巣喰ってしまったものを殺す薬(殺菌剤)をかけると皮膚もダメになってしまうのです。

   皮膚は死なないように菌は死ぬように。・・・・・・コレハ タイヘン ムズカシイ

しかし、ここでちょっと違った発想をしてみましょう。我々には活性理論による皮膚の活性法があります。菌を殺す必要などサラサラ無いのです。だって新陳代謝の活発な健康な人には水虫をこすりつけても、ぜんぜん移ったりしません。皮膚が元気な人には水虫は棲みつけないのです。

 

 

 

 


 アトピー性皮膚炎は生体内に入って来た有害化学物質に対して免疫機能の低下により処理しきれなくなって起こるアレルギー反応です。また合成洗剤は洗濯するたびに残留するものが増えていきますからそれが皮膚の敏感な人には大変な刺激となってしまう事もあります。この場合皮膚の活性化はとりあえず、対症療法として皮膚の症状を改善する事は出来ますが、根本治療にはなりません。何故なら主に毒物の混じったものを口から入れる事が原因だからです。

微量に毒物や薬品が入っているもの

   農薬を使用したもの・特に輸入作物はひどい。

   現在の養殖・畜産による肉・牛乳・卵・魚

   食品添加物の入っているもの・特に防腐剤

   水道水に混入している有害化学物質

に気を付ける事が解決の早道です。

 

 

 


 

 

 


ステロイド(副腎皮質ホルモン)の副作用について

 市販(フルコート等の商品名が有名)もされていますが、皮膚科でよく処方してもらう薬にステロイド軟膏があります。副腎皮質ホルモン入りの軟膏の事ですが、この薬は非常に良く効く半面、使い方を誤ると大変な副作用があります。

 本来、副腎皮質ホルモンは腎臓のそばにある副腎から分泌されるホルモンで、生体の危機的状況に威力を発揮するといわれています。このホルモンを合成する事に成功し、リューマチ患者に投与すると、痛みは消えて曲らなかった関節も曲るようになり、他にも色々な効能があって、まさに劇的な治療薬としてもてはやされ、この研究に関して2人もの人がノーベル賞を受賞した程の物質でした。ところがその後、このホルモン剤を投与し続けていると深刻な副作用が出始めたのです。

 化粧品かぶれなどでブツブツが出来た時などに、ステロイド軟膏を塗布しますと、ヒリヒリやカユミは止り、紅斑もブツブツも消えて肌はすべすべと非常に調子良くなります。これは素晴らしいと思って、化粧の下地クリームがわりに使っている人もいます。市販されている物は含有料が少ないのですが、長期にわたって使い続けているとやはり大変な事になります。

 ホルモンは微量で大きな働きをします。たかが塗り薬くらい、などとあなどっていると大変です。このホルモンは経皮吸収されて威力を発揮するわけですが、肌に油を補ってやると自分の力で皮脂を出せなくなるように、ホルモンでも同じ事が言えます。副腎皮質の機能が衰えて、副腎皮質ホルモンを分泌しなくなってくるのです。その結果、次の様な全身症状が出てきます。

   免疫機能の低下(傷が治りにくい。)

   ムーンフェイス(顔が月の様にむくんで膨らむ。)

   皮膚色素沈着

   筋力低下

   高血圧

   糖尿病

   骨がもろくなり、折れやすくなる。

 副腎皮質ホルモンは、生体に対する

一種の緊急防衛隊ですから、いつもい

つもこの防衛隊を外から補っていると、

いざという時、自分自身の防衛隊はど

こかに行ってしまっているのです。

 

 


 皮膚科でも最初から強いステロ

イドをくれるわけではありません。

最初は弱いものから与えられ、そ

のうちに治れば良いのですが、化

粧品障害を受けていてそれに気が

つかず、化粧品を使用し続けてい

ると皮膚トラブルは治りませんか

ら、だんだん強いステロイドに代

わっていきます。弱いステロイド

では効かなくなってくるのです。

そして一番強いステロイドさえ効

かなくなった時、現代の医学では

どうにもならない、とされている

のです。そして上記の症状で死ぬ

まで苦しむ事になります。

 


ステロイド皮膚炎

 化粧品障害などで顔が赤くなり、ほてったり、むず痒くなるのは初期の症状で、ステロイドは毛細血管を収縮させて炎症を抑えるため、皮膚科ではかぶれ、皮膚炎の治療に使います。また、メラニン生成を抑える働きもあり、シミの治療に使う事もありますが、使い続けていると繊維を造る細胞の働きを弱め、皮膚の血管の壁が弱くなって開きっぱなしになり、見た目には皮膚が薄くなって血管が浮いた様に赤く腫れてきます。そしてステロイドを使っていても、口の周りにブツブツが出来る様になり、小さな傷も化膿したりします。

 私の知人に化粧品障害を受け、皮膚科で処方された10種類近くのステロイドを2年半使い続けていた40才位の主婦の方がいます。この方は、ステロイドの副作用を認識し、勇気をもって止めました。(もちろん、皮膚の活性化をはかりながらではありましたが。)するとステロイドを止めた、というだけで大変な禁断症状が出始めたのです。

   2〜3日目からブツブツはひどくなり、顔中腫れあがって綺麗な二重が一重になり、

   1週間を過ぎるとブツブツは化膿してリンパ液もにじみ始めました。

   さらに2週間を過ぎると表皮が浮き上がり、

   しばらくすると皮がボロボロとむけ始めました。

   さらにリンパ液は1分間に数滴ずつ、頬を伝って流れ落ち始め、

   当てていたガーゼが絞れるほど滲み出してきたのでした。

結局その方は1ヵ月目にも、もう一度皮がむけて綺麗な素肌を蘇らせる事に成功(活性化しながらでも3ヵ月位かかる人もいる様です。)しましたが、この主婦は免疫が低下し、足の甲に蚊が刺しただけで表皮が浮いてピンポン玉の様に膨れあがり、そのあと処理をうまくしなかったため、化膿させてしまいました。しばらく病院に通っていましたが良くならずひどくなる一方で、身はえぐれてしまい歩けなくなって、とうとう入院しなければならなくなりました。数ヵ月間入院した後やっと退院しましたが、1年以上たった現在でもまだ具合悪いそうです。抗生物質で細菌の繁殖は抑える事が出来ても、肉や皮膚が形成してこないのです。副腎皮質の働きが衰えてしまっているのです。

 

 たかが塗り薬といえども侮ってはならない事が良くお分り頂けたと思います。これが経皮吸収のすごさです。従って安易にステロイドを渡してしまう無責任な医者や素人判断ではなく、信頼のおける皮膚科専門医の指示に従う事が大切です。

 副腎皮質ホルモンは膠原病には無くてはならない治療薬でもあります。繰返しますが、ホルモン剤は微量でも大変な効果をもっています。化粧品にも胎盤エキスなどの名目でホルモンが配合されているようです。いずれ何等かの形で実害が出てきますので気を付けましょう。

 ちなみに焼肉料理にホルモン料理というのがありますが、この語源は

   動物の内臓で捨てるもの→放るもの→ほうるもん→ホルモン

ということですから、ホルモン剤とは関係ない事を申し添えておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


第4章   皮膚細胞活性理論

 

 

 

 いよいよこの本の核心の章にまいりました。ところで、皮膚細胞活性の「活性」って何でしょう。

   元気がある         

   活力がある

   生き生きしている

   生命力がある

色々な言葉で表現できると思います。少なくとも元気がなく、停滞している、死にかかっている状態の逆であるといえるでしょう。ということは、活性理論などというものが出現してくるのは、活性化してない状態があるわけで、それは今までの章で述べてきたとおりです。その活性化してない細胞を、特に皮膚細胞をなんとか、活性化し美しくしてやろう。というのがこの章の目的です。そのためには、細胞というものについて、生物の時間に習った事を少し復習しておく必要があるでしょう。

 

 私たちの体はすべて細胞から出来ています。その数はおよそ60兆個と言われています。単細胞と呼ばれる人でも60兆個あります。でも、そのもとはといえば1個の受精卵でした。たった1個の受精卵は、繰り返し分裂して約200種類のそれぞれ異なった特徴を持つ細胞へと分化していきます。例えば、肝臓の細胞、腸の細胞、皮膚の細胞、血管の細胞、骨の細胞、という具合にです。しかしその細胞の基本的構造は皆同じで、DNA(遺伝子)も全ての細胞にあります。そのDNAの情報量は事典になおすと、数十冊にも及ぶといわれ、総てここからの指令を受けて生命活動を営んでいるのです。個人の体はそれぞれの細胞が皆同じDNAを持っていますから、私たちは皆、数十冊の事典を60兆組、持っている事になります。

 また、1個の細胞の中には蛋白質が約1万種類あり、総計で約100億個もあります。それらが見事なまでの、調和と秩序を保っているわけですから、人体が一つの宇宙に例えられるのも大げさではありません。

 従って、最初に謙虚に申し上げておきたいのですが、21世紀の美容理論「皮膚細胞活性理論」といえども、人体の持つ莫大かつ偉大な神秘からすれば、ちょっとマニアが小さな天体望遠鏡で見た、月の一部程度かもしれないという事です。まだまだ分らない事が沢山あります。いえ、真実が「ほんのちょっと分っただけ」と言換えるべきかもしれません。しかし、マニアはついに望遠鏡を手にしたのです。そして分りました。月には「うさぎ」なんか、いやしないと。ましてや、そこでは絶対に「もち」なんか、ついていなかった、と。

 

 

 


 

 

 


細胞の栄養とはなんでしょう。

 皮膚細胞も含めて生きている細胞はすべて、栄養や酸素を必要としています。その栄養や酸素でもって活発な生命活動が維持されています。

 普通私たちが栄養というときは、「これは蛋白質やビタミンが多い」とか、「炭水化物、脂肪、が含まれている」という言い方をします。また特殊なエキス、例えばローヤルゼリーやドリンク剤を栄養と言う事もあります。ところで細胞の栄養とはどういうものでしょうか。

 この味噌汁や牛乳は栄養があるからといって、直接注射する事は出来ません。私たちが食べる食物のままでは、細胞はどうする事も出来ないのです。

「はい、ここに体長30mのシロナガスクジラがいますから、あげます。どうぞ、かじって食べてください。」

と突然言われても捕鯨の漁師でもない私はびびってしまって、どうしようもないにきまっています。下手にしっぽにでも噛りつこうものなら、振り払われて一巻の終り・・・・・・細胞だって同じです。

 口から入った食物は唾液や胃液などの消化液に含まれる消化酵素の働きと腸内微生物の働きで、栄養としての最小単位までバラバラに分解(異化)されます。

   蛋白質はアミノ酸に

   炭水化物はブドウ糖に

   脂肪は脂肪酸とグリセリンに

という具合にです。そして吸収されてエネルギーとして使われたり、DNAの指令を受けて、その細胞特有の蛋白質に作り替えられる(同化される)のです。同化のお陰で、血液が足らなくなったからといって、ドラキュラの様に生血をすする必要もないし、人間がウロコを食べても、決してウロコが生えてこないのはこういうわけだったのです。

 吸収された栄養素は血液によって全身へと運ばれていきます。そして

   毛細血管から心臓の拍動によって圧力を加えられ、

   血管壁を押出されていきます。

   押出された栄養素は細胞と細胞のあいだの液体の中、間質液の中を浮遊しています。

   そして適当に細胞内に吸収され、

   いらなくなったものは、細胞外へ排拙されて静脈で集められ、

   腎臓より体外へと排拙されます。

 従って細胞の栄養は「老廃物を除く間質液に含まれているもの」といえます。もっと簡単に言うと組織液、さらに分りやすく言うと細胞液の事です。ちょうど治りかけた「かさぶた」を早く剥がしすぎた時、透明な汁がにじみ出る事があります。それが細胞液なのです。そしてその汁の中には、細胞にとっての必要な栄養が入っています。




 ここでちょっと「細胞を生かす」という事を考えてみましょう。生物には単細胞生物と多細胞生物があります。単細胞生物は原始的な生物で、例えばアメーバやゾウリムシがそうですが、彼等は多細胞生物から取り出した1個の細胞と比べると非常にたくましく、ドブや池の中を最適の棲みかとして生きています。多細胞生物、特に高等生物は、寄り集る事によってより複雑な環境に適してはいるのですが、その一つ一つの細胞は大変弱いのです。よりデリケートな環境が必要になってくるわけです。ゾウリムシであれば川の水を汲んで来れば簡単に繁殖させる事が出来るでしょう。しかし、高等生物である私たち人間の細胞は、川の水では培養はおろか、生かしておく事さえ出来ないのです。

 では人間の細胞を取り出して、人工的に生かすとするなら、どの様な環境が必要になるでしょうか。

   川の水ではダメな事は分りました。

   味噌汁の中でもだめです。

   牛乳の中でもだめです。

そうです。人間の細胞は人間の体内において生存出来るわけですから、取り出した細胞を人工的に生かすには、体内と同じ様な環境を整えてやる必要があります。

   温度

   水

   ミネラル濃度(塩類)

   酸素濃度

   ブドウ糖(エネルギー源)

を整える事は最低必要でしょう。そしてさらにアミノ酸類、多糖類など加えて限りなく細胞液に近づけていきますと、細胞は必要な物質を取込んで成長し、分裂して増えていく様になります。

 その様な液を細胞培養液といいます。細胞培養液には細胞に必要な栄養が、含まれているというわけです。体内においての新鮮な細胞液は、細胞にとって一番最適な細胞培養液です。

 細胞液に含まれている成分を生体成分といいます。細胞にとっての栄養は生体成分であり、それ以外の物質は異物です。たとえ薬効のある薬でも、それが本来細胞液に存在するものでなければ本質的には異物です。細胞の栄養は生体成分のみなのです。

 

 

 


体液分画

 成人の場合体重の約60%が水分です。そのうちわけは

   細胞内に40%

   細胞間に15%

   血液中に5%

というバランスを保って存在しています。もちろん生体成分を溶かし込んでいます。その中でも特にミネラル類のバランスがとれている事が重要で、このミネラルバランスの事を電解質バランスと呼んでいます。生きている細胞はすべて内側が外側に比べて電気的に負の状態です。例えばナトリウムとカリウムの細胞内外におけるバランスを、ある一定の比率で保っている事が生命維持のため大切なのです。

 ところがこのバランスがなんらかの原因で、狂ってしまったとします。そうすると生体としては、ショック状態におちいります。交通事故を起こして気絶している時などが、まさにその状態です。怪我をしているからといっていきなり手術は出来ません。狂ってしまっている電解質バランスを整えて体力を回復させてから手術に挑むのです。どうやって電解質バランスを整えるかというと、手術の際、リンゲルというのを点滴しているのを御存知ですね。リンゲル液は体液と等張で輸血の代りに使用するのですが、電解質維持液と書いてあります。これで電解質バランスを整えているのです。細胞の自然な状態においては、後程述べる能動輸送においてそのバランスが保たれています。

 当然細胞内外で電解質の濃度

が異なっていますから、浸透圧

差が生じています。従って、電

解質バランスが整っている時、

体液分画も平衡状態で浸透圧バ

ランスがとれているといいます。

 浸透圧とは図の様に濃い水溶

液と水を半透膜で仕切った場合、

濃度が一緒になろうとして水分

の移動が起こります。この圧力

差の事を浸透圧といいます。

 

 


日常色々な所で浸透圧差を利用した例を見る事が出来ます。

漬け物 

    塩をかけると細胞壁から原形質分離が起こるまでは、浸透圧により水分が引

    っ張り出されるが、細胞が死ぬと選択的透過性が失われ、やがて塩分が拡散

    により浸透してくる。 → つかる

植木に濃い肥料

    その植物にとって肥料(化学肥料・鶏糞など)を与えすぎて根細胞より外部

    が陽圧になると植物は水分を吸収出来なくなる。 → 枯れる

ナメクジに塩

    人の様に角質層のないナメクジにとって塩は大変強い浸透圧が働きます。み

    るみるうちに水分が吸い出され、しぼんでしまいます。

ウニの卵巣は海水で洗う

    生で食べても瓶詰で食べても珍味とされるウニの卵巣は、加工する時、水で

    洗うと溶けてしまいますので水は使いません。それは卵巣内は陽圧なので、

    ただの水だと水分を吸い込んで膨潤し、細胞膜が破れて中身が飛出してしま

    うからです。海水では溶けません。

海水浴と入浴の手のひらのふやけ方の違い

    お風呂に長く入っていると、手のひらの皮膚はふやけてしまいます。

    ところが海水浴ではそうなりません。これもただの水、体液、海水の

    浸透圧差の結果です。

生物が生きるためには浸透圧のバランスがとれている事が大切です。

 

 

 

 


細胞の栄養の吸収・・・・生体成分はどの様にして細胞内に取込まれるのでしょう。

 生体成分は隔膜(原形質膜)を通って取込まれますが、その取込まれ方には色々な方法があります。

   拡散・全透性・・・・・・・・・・・・・・一応、何でも通る。

   半透性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・水は通すが溶けこんでいる物は通さない。

   選択透過性・・・・・・・・・・・・・・・・物質の性質により選択的に通る。例・・電荷

   能動輸送(積極的な吸収)・・エネルギーを使って吸収する。

 細胞は生体成分であれば、すべて吸収するわけではありません。原形質膜、つまり細胞膜は脂質二重層で、この中に色々な種類の輸送タンパクと呼ばれる分子が埋まっていて、それぞれ決った種類の糖やアミノ酸を細胞内に取込んでいるのです。必要なものを必要な時、必要なだけ取込みます。まるで細胞に意志があるかのごとく。いえ、もしかしたら、意志があるのかもしれませんが、それは神のみぞ知る領域です。早い話が、それは何故かは分らないという事ですから、ここでは、生命現象として「こうなっている」という事だけにとどめておきます。

 まず拡散という純然たる物理現象に従って、まず生体成分は原形質膜内外を均一化しようと、原形質膜を透過出来る物はして来ます。半透性・選択透過性(浸透)

 ところが細胞はそれ以外にも自分にとって必要と思われる物質を積極的に取入れています。

当然細胞内は間質液より濃くなって陽圧となっています。

浸透圧によって水分が入って来ようとしますが、細胞膜内の容積に限度があるので入れません。

高いものは低くなろう(濃いものは薄くなろう)とするのが自然な物理法則ですが、細胞膜にはこの濃度差に逆らう働きがあります。

   必要なものは更にとりこむ

   いらない物はかき出す・・・・・・腎臓を考えると分りやすいでしょう。

自然な物理法則に逆らうにはエネルギーが必要になります。(高い所から物を落とすのに対して、低い所から高い所へ運び上げるにはエネルギーが必要)

このエネルギー(ATP)を使ってでも濃度差に逆らって、必要なものを吸収しよう、またはいらないものを排拙しよう、とする働きを能動輸送といいます。

 

 

 

 


 とにかくトラブルを起こしている皮膚に充分な生体成分を経皮吸収させてしまえばこっちのもの。後は浸透や能動輸送が起こって必要な物が、細胞内に取込まれ、細胞自身の自然治癒力によってトラブルは修復されます。

 トラブルを起こしている細胞とはミトコンドリアなどの構造物が欠損しているわけです。細胞の構造については生物学など他の専門書を参照して下さい。本書ではより分りやすくするために細胞の修復を家の修繕に例えてみましょう。

 ここに一軒の空き家が有りまして、いたる所が壊れています。人が住むには修理が必要です。

 空気や匂、光は放っておいても入って来るので、拡散によって浸透して来る成分に似ています。

 ガス・水道・電気はつなぐ配管、配線により取入れるので、選択的に入って来る成分に似ています。

 家財道具や修繕材料は重たい思いをして運び入れるので、エネルギーを使って吸収する能動輸送に似ているといえるでしょう。そして運びこまれた材料は家主の指示通りに使用されます。

   破れている壁には壁紙をはる

   傷んだ畳は取替える

   雨洩れには瓦を差し替える

という具合にです。細胞ではDNAの指示で必要な生体成分が取込まれ、欠損部分が修復されるわけです。ところが修理材料が十分なければ、家の修繕が完全になされない様に、細胞でも修復に必要な生体成分が十分に存在しなければ、修復したくとも修復出来ない事になりますから、生体成分を細胞間の間質液中に、十分に整えてやるという事が、細胞活性化の重要なポイントとなるわけです。

 

 

 

 


 以上で細胞の栄養とその吸収、また細胞内外における生体成分のバランスの重要性、そして活性化のおおよそがつかめて頂けた事と思います。それではトラブルを起こしている皮膚内部に十分な修復材料を整えるため、角質層を通しての経皮吸収について最新の皮膚生理のメカニズムをご説明いたしましょう。

 

経皮吸収の経路と条件

 つい最近(1988年頃)までは皮膚にはバリアゾーンがあり、外部から異物の侵入を防いでおり、水溶性物質や栄養なるものはほとんど吸収しない、という考え方が皮膚医学の一般的常識でした。従来は、皮脂腺、汗腺から脂溶性物質のみ吸収されるとされてきました。それは皮脂腺上部の皮脂成分を溶かし、内部に入って行く脂溶性物質だけが吸収されると考えられていたからです。しかし最近、皮膚生理学の研究が進み、その結果、一定条件のもとでは、水溶性物質でも経皮吸収が行なわれる事が判明しました。

 それではどういう経路から吸収されるかといいますと、

   1.表皮から     細胞と細胞の間を通って

              細胞を通って

 

   2.毛包皮脂腺から  細胞を通って

              付層器官をとおって

 

   3.汗腺から     付層器官をとおって

浸透してきます。しかし、何でも吸収されるわけではなく吸収には一定の条件が必要です。

1.角質層が約20層(健康な皮膚)は吸収されにくく、トラブルのある肌、角質が

  はく離している程、吸収率が高い。

2.分子量が大きい物質(高分子)は吸収されにくく、小さい分子(低分子)程吸収

  される。

3.極性、つまりイオンの関係で吸収させようとする物質の極性と皮膚の極性の条件

  が整った時に吸収される。マイナスイオンはプラス、プラスイオンはマイナスへ。

4.融点の高いもの(固体など)は吸収されない。融点の低いもの(液体)は吸収さ

  れやすい。

5.低温では吸収が妨げられるので、室温以上で皮膚表面の浸透性が高まっているこ

  と。

等の条件のもとで経皮吸収が行なわれます。

 L−アスコルビン酸等の経皮吸収検査では、皮膚にL−アスコルビン酸を塗布した後、排拙尿を調べて明らかに吸収されている事が判明しています。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

ドラッグ・デリバリー・システム

 最近ではこの経皮吸収を積極的に活用して新しい医学分野が開けつつあります。

  ☆宇宙飛行士が宇宙酔いを防止するため、耳の後に薬を張り付け、経皮吸収させ

   て三半器官に直接作用させて宇宙酔いを防いでいます。

  ☆心臓治療にも応用されています。心臓だけに作用させてやりたい薬をなにも口

   から多量に飲んで、他の臓器に負担をかける事はないではないか。経皮からの

   吸収によって副作用が軽減出来れば、それにこした事はない。というわけです。

 


 それではいよいよ、皮膚を活性化させるための活性液について述べましょう。内容成分のおおよそは第6章で説明いたしますので、ここではいかなるものでどの様に皮膚が、活性化して来るのかを理解して頂けたら、と思います。

 活性液は生体成分のみで造られていて、その濃度は体液より相当濃くなっています。

 その前に「活性液は何から造るのか」という質問をよく受けますので、お答えいたしておきましょう。生体成分とは生体に含まれている成分という意味ですから、目の前に塩の塊が有ったとしたら、それも生体成分の一部である、と答えられます。何故なら体液中には塩分が含まれているからです。活性液は生体成分だからといって、人間や胎盤などから、抽出したのではありません。体液を成分分析して様々な生体成分の成分比率を求めます。そしてそれに従って、ナトリウムいくら、カリウムいくら、多糖体いくら、アミノ酸いくら、と配合していくわけです。複雑な生体成分についてはバイオ技術により造られています。

 これでも少し納得しにくい方がいらっしゃいます。「マヨネーズは何からつくるか。」と聞かれて、「卵と、酢と、油である。」という様な解答を求めているのだと思いますが、リンゲル注射液はどうやって造るかを考えた場合、「NaCl,KCl,CaCl・,その他を適量づつ加えて造る。」としか答えようがないのと同じです。それでもその成分はどこから取るのかと聞かれる事があります。

   NaClは塩から、塩は海から、

   ブドウ糖は蔗糖から、蔗糖は砂糖から、砂糖は砂糖キビから、そしてそれは

    肥料から

「お前はいったい、何者だ!」と聞かれたら「私は、私が今まで食べてきた、食べ物のお化けだ。」・・・・・・と、言えなくもないですよね。・・・・でも・・・・

 

  早い話が、活性液は「生体成分を大変濃くした物である。」と言えますし、「細胞液にそっくりに造って、その濃縮した物である。」「血漿によく似ていてその濃い物である。」とも言えます。

 この活性液に含まれる生体成分は人類誰

もが共通に持っている物質であり、従って

この活性液が肌に「合わない」とか「トラ

ブルが出る」ということは理論上ありえま

せん。従ってもし、この活性液が合わない

人がいたとしたら、それは私たち一般の人

間とは成分構成の異なる種族・・・・・・・・・・

もしかしたらそれは・・火星・・・じん

 

活性液の開発に致った理由とその経緯

 ここでちょっと、なぜ活性液がどの様にして生まれ出たかを申上げておく必要があるでしょう。

 戦後、化粧品は夢を売る商品として、急速に伸びて来ました。ところがその売上と比例して化粧品被害というものが発生し始めました。化粧品は肌を美しく健やかにする物であると信じ込んでしまっているひとにとって、皮膚トラブルの原因が化粧品に有ろうなどとは夢にも思わず、シミや突っ張り感などを感じ始めた時、皮膚の栄養が不足し手入れが足らないせいだと更に化粧品を使ってしまって、更に症状を悪化させてしまうと、今度は内臓が悪いのでは、と肝臓の検査に通ったり、1年以上も肝臓の治療をしたりしていました。その間にも化粧品をせっせと使っていますから症状もシミなどという生易しいものではなく、化粧品が原因だったと分った時には既に遅く、「黒皮症」と診断されるほどになっていました。ちょうど顔面にブラックチョコレートを張り付けた様な色になってしまうのです。その当時は治療法も無く、一生このままだろう、と言われて、離婚に追込まれたり、自殺する人まで出ました。被害を受けた女性達が大手メーカー数社を相手取って訴訟を起こし、一時的な社会問題となったのもこの頃です。しかし、まもなくこの問題も社会的には鎮静化(抹殺化?)しました。そしてそれから問題は深く潜航し、現在に致っています。

 

 

 

 


 今から十数年前の事ですが、その当時、被害を受けてしまった人達がなすすべが無くて困っているのを、何とかしてあげたい、と考えていた研究者達がいました。そして皮膚の活性について研究を開始したのです。分って来た事を発見順に要約してみましょう。

   皮膚にとって有害な化学物質は一時的な薬効があろうとも異物である。

   皮膚は弱酸性の時、一番抵抗力がある。

   細胞は「何とかエキス」を栄養としているのではない。

   細胞の栄養は自分自身の体液である。

   生体成分を塗布すると具合が良い。

   角質層は大切な役割を持っていて、ここの正常化がポイントである。

   傷んだ穴だらけの角質層は多少の浸透圧を働かせる事が出来る。

   傷んだ角質層は多糖体などで、ある程度修復出来る。

   水溶性の物質でも一定条件のもとに、経皮吸収が行なわれる。

   経皮吸収された生体成分は、細胞で能動輸送されている。

   能動輸送した生体成分で細胞は自己修復している。

   生体成分の詳細が更に突き詰められて、それぞれの働きが分って来た。

   生体成分を整えるほど皮膚細胞の活性化が図れるようになった。

とりあえず、現在分っている事はここまでです。これからもますます、研究は進んで行くでしょうから、更にグレードの高い活性液が開発されるでしょうし、使い方・応用の仕方もますます広がって行く事と思われます。

 この偉業を成し遂げている研究会の名は「日本皮膚細胞医学研究会」です。そしてここの提唱している活性理論を名付けて「R・N・B活性理論」と言います。「リカバリー・ノーマル・バランス」の略ですが、「自然な調和の回復」という意味です。従ってこの本もR・N・B活性理論に基づいて書かれています。実際はもっと複雑で医学や生物学、薬学等の専門用語や物質名がポンポン飛出して来るのですが、本書では一般の人でも十分に理解して頂ける様に専門用語などは必要最小限にとどめ、おおよその概念だけははっきり納得して頂ける様に、と思いながら執筆しております。

 

 

 

 


 

 

 


 

 

 


その応用(濃縮生体成分・活性液の塗布)と実際

 それでは、実際に濃い生体成分をトラブルを起こしている肌に塗布すると、どの様な仕組で皮膚細胞は活性化し始めるのでしょうか。

   傷んだ箇所の角質層は穴だらけで保湿力が無く、

   萎縮していて水分が蒸散しています。

   そこで、濃い生体成分である活性液を塗布します。

   蒸散する水分を活性液の保湿成分が補束します。 → べたつき

   肌は表面上、潤っています。

また、水分が蒸散する様な角質層は半透性があるといえます。

   従って高濃度の生体成分を塗布しているので浸透圧により、表皮深部の間質液の水分が、    角質層へ引き寄せられると考えられます。

すると表皮内部が潤ってきます。

   自分本来の生体成分も深部より拡散して来ます。

すると細胞自身にとって必要な栄養の吸収、能動輸送が起こります。

                     ・(自分自身の生体成分によって)

   萎縮していた表皮は水分で潤って元のレベル(厚さ)まで回復して来ます。

しかし、この時点ではまだ、蒸散もしています。 → 相変らずのべたつき

一方、高濃度に濃縮した生体成分を塗布しているので

   高分子は傷んだ角質層を一時的に修復。

     (多糖体の修復作用はガン学会でも注目されている。)

   低分子は条件付きで拡散により経皮吸収される。

すると更に積極的な能動輸送が起こり、細胞は活性化し始めます。

          ・(経皮吸収された生体成分によって)

   (トラブルを起こしている細胞は自己修復する事が出来る。)

   活性化された細胞はいずれケラチニゼーションが正常化されて、

   健全な角質層を形成する様になります。

そして美しい素肌がよみがえって来た、という事になります。

 

 

 

 




活性化に際して初期に現れる、一見好ましくない様にみえる反応

 化粧品を代えた時に、または使い続けて起こる化粧品障害によく似て非なるものに「反応」があります。いままでの化粧品を沢山使い続けた人ほど必ず通り抜けなければならない関所といえるでしょう。従って反応が出た場合は、特にたくさん活性液を塗布して、活性化をはかる必要が生じます。

 

 ブツブツが出て来た

殺菌剤や防腐剤(パラベン、ビタミンEなど)が入っていた物を使っていた人は、人間の皮膚にとって有用な常在菌などさえも毎日殺菌消毒していたわけですから、本来の抵抗力が落ちています。自分で雑菌と戦わなくても化学物質がいつも殺菌してくれるのでラクチンではあるかもしれません。しかし毎日、車ばかりに頼っていますと足腰が弱って来るのと同じです。活性液にはそのような殺菌剤や防腐剤が一切入っていませんから、自分自身の免疫と抵抗力を取戻すまでは、ちょっとした雑菌にも負けて炎症が起こるのです。でも2〜3週間程で自分自身の抵抗力が戻って来て雑菌と戦ってくれる様になれば炎症はおさまります。

またクレンジングなど油性分の多い化粧品を使用していた人や、皮脂腺の働きが緩慢だった人は、活性化することによって一時的に分泌機能のバランスが変るために起こると考えられます。化学物質でブツが出た場合はなかなか治りませんが、この場合は数日で良くなるので心配いり

ません。

 

 

 

 


 ニキビが大きくなった、ひどくなった

肌を引締め(収斂剤)たり、

皮脂の出を抑えたり、

汚れを取り去る(界面活性剤)働きのある化粧水を使用していた人は細胞レベルでは本来の細胞の新陳代謝が妨げられている場合があります。この様な時に活性化を行ないますと、抑えられていた皮脂腺が急に活力を取戻したりして来るわけですが、抵抗力が落ちていれば雑菌が繁殖するわけです。絞り出すと炎症は治まりますが、その部分が欠損してクレーターが出来ます。活性化すると中に溜まった脂が出て来る時に、一時的にニキビが大きくなる人がいますが、溜まっている脂を出さなければ良くなりません。

 

 

 

 


 毛穴が開いてきた

色々な化学物質を練りあわせた物を毎日塗布し、収斂剤で見せかけの引締め(肌を便秘させている)をしていますと、活性化によって、ようやく解放された皮膚はやっと自由になって、異物や老廃物、汚れなどを排拙出来るようになりますから当然毛穴が開いてきます。しかし出す物さえ出せば、元に戻って来ます。

 

 

 

 


 色が黒くなってきた

これも様々な化学物質で皮膚の新陳代謝が妨げられていたと考えられます。すこし傷められていた皮膚は少しでも早く修復を図ろうとするので、一時的にメラニンの力も借りて来るのです。また、本来は傷めつけられているにもかかわらず、メラニンの生成が十分でなかったともいえます。しかし、やがて角質層が正常になれば不必要な色黒は取れてきます。

 

 

 

 


 シミが目立ってきた

シミはある部分が色素沈着してその部分にとどまってしまったのです。急に目立って来たという事は、活性化し動き始めたと考えられます。

 

 

 

 


 カユミ、ヒリヒリ、赤くなった、ブツがでた

以前にホルモン系化粧品やステロイド軟膏を使用していた人に見られる症状です。ひどくなりますと、表皮が浮いて、リンパ液が浸出する様になります。専門家の指導が必要です。

 

 

 

 


 顔がカサついてきた

油性分の使いすぎで、皮脂腺の働きが衰えていたのです。活性化を図って早く健康な肌に戻すことですが、それまでは最も皮脂にちかいスクワレンを使用した、スキンミルクを併用し、少し脂分を補ってやると不快感を感じずに活性化する事が出来ます。よほど高齢か、メイクをする方でなければスキンミルクはいずれ要らなくなるでしょう。

 

 

 

 


第4章のまとめ

   細胞の栄養は生体成分のみである。

   活性液は細胞液にそっくりの生体成分で、濃度が濃いものである。

   一定条件により経皮吸収された生体成分は、細胞に積極的に取込まれる。

   経皮吸収は医学の分野で近年応用され始めた。ドラッグ・デリバリー・システム

   細胞は能動輸送により取入れた生体成分で自己修復を行なう。

   皮膚の活性化(修復)が始ると様々な反応が出る場合がある。

   活性液に含まれている生体成分が、肌に合わないという人は有り得ない。

   反応が出た場合はもっと活性液を塗布した方が良い。

 

 


 

 

 


ここでちょっと、実際に活性液を使ってトラブルを克服した方達の声を聞いて見ましょう。紹介し切れないほど、素晴らしい体験談が報告されていますが、紙面の都合でわずかしか、載せられないのが残念です。なお、名前は実名です。

 

林理美(24才)

 高校生時代、私は肌がすべすべしていてみんなから「きれいな肌ね。」と言われ自分はニギビなどとは無縁のものだと思っていました。

 ところが、社会人になり、お化粧を始めて何年かたつと、肌がカサついて皮がむけたりして、しばらくすると、ポツポツと白いニキビが出てきました。それがだんだん赤くなり、かゆくなったりしてひどくなってきたのです。(紫のしこりになっていました。)

 自分でもどうしてこんなになったのかと、薬とか、いろいろ付けてみましたが、治りませんでした。22才にもなってニキビができるなんて胃の調子でも悪いのかしら、と疑問をもったりしていました。

 そして皮膚の活性理論に出会いました。これだ!と思った私はさっそく活性法を実践しはじめました。最初は痒くなるし、しばらくしてもブツブツも引込む気配はなく、ますます、悪化するのではないかと、心配になりました。しかし、今までいろいろ使っていた化粧品の実体をカウンセラーの方から習っただけでなく、自分でも化粧品に関して色々本を買って何度も読み、今までのお手入れの間違いを認識し、活性理論に対して信を深めていくようにしました。(私が付け始めた時の活性液は現在ほど、生体成分の整えられた物ではなく、開発途中のものでしたので少し時間がかかりました。)1年ぐらいは出たり引込んだりを繰返していましたが、1年を過ぎる頃から急に赤いブツブツが減ってきました。そして現在の活性液に変わって、とても調子良くなりました。だんだん綺麗な肌にもどりつつあります。今ではニキビあともほとんど目立たなくなった状態です。

 

平野久子(23才) 

 私は水虫に悩まされていて、夜も寝られないくらい、ひどい水虫でした。あちこちの皮膚科に行ったけれども、まったく治らず、半分あきらめていました。ところが活性液を紹介され、去年 平成1年11月から付けてみたところ、あれだけ夜も寝られなかったカユミがピタッと止り、少しづつですが治りかけてるのです。(時々塗布・約6ヵ月後)

 それともうひとつ驚いたのは、私はアトピー系の皮膚なので、背中によくニキビみたいにウミをもったブツが時々出来るのです。その時この活性液をつけて寝ますと、よく朝小さくなってウミが無くなってるのです。

 

重見志津江(31才)

 私は以前ある化粧品メーカーのセールスレディをしていました。学生時代からセールスレディになる23才までは自分で言うのはおかしいかもしれませんが、肌はきめも細かく、大変綺麗でした。ところが23才頃よりニキビが出始めまして、美容部員の方の指導どうりに色々頑張ってみましたが全くだめで、ひどくなる一方でした。いろいろ漢方や生薬も試しまして、幾分かは減ったかに見える事もありましたが、両頬に出来た大きな紫色のしこりは、いつまで経っても回復しませんでした。そんな時、化粧品の成分を知り、皮膚の活性法に出会ったのです。私の驚きはそれは大変なものでした。まるで天地がひっくり返るとはこの事です。ましてや私は、化粧品は使うべき物として一生懸命、人にすすめていたのですから。

 メイクを落とした私の顔はうっすらと黄色くなっていて、とくに額と口の回りにうっすらシミがありました。基礎化粧もメイクも止めて町を歩くのには、恥かしくて大変勇気がいりました。

 活性液をベタベタと暇さえあればつけるようにしていました。すると約一月目にはあの黄ばみが無くなって来ました。ニキビも化膿する事が減って来ました。約三ヵ月目にはほとんど化膿する事は無くなって来ました。しこりも取れて来ましたが、肌が回復して来ると、クレーターが目立って来ました。ちょうど今は亡き坂本九さんの様にニキビ跡が残っていたのです。頑張って使い続けて2年たった今、ニキヒはすっかりでなくなり、ニキビ跡の凹凸までが、半分はなめらかになって来たようです。シミもすっかりなくなっていて、本当の年より6〜7才はいつも若くみられる様になったのが、嬉しいです。

 また、最近私の長女(1才8ヵ月)が、75℃はあったなべのお湯に、足をつっこんで火傷をする、という事故がありました。膝下までですが、急いで水で5分程冷やした後、主人に活性液をべたべたと塗布してもらった後、無添加のラップで包み靴下を履かせました。活性液がしみたのでしょう。約1時間位、泣き続けました。しかし次の日には皮膚は何ともなく、本人も元気になって、平気で歩けるようになりました。半日毎に活性液を塗布しかえました。次の日の夜、活性液を塗布しかえようとして、良く見るとどうでしょう。ふくらはぎの上のあたりに、活性液が塗布されていないところが、ほんの少しありました。そしてそこは「水ぶくれ」になっていたのです。

活性液のすごさが良く分りました。

 

郭野あつ子()

 


 

河野栄乃()

 

 


 

 


第5章   頭皮頭髪活性理論

 

 

 

 日本人は昔、特に女の人は緑の黒髪と呼び、女の命として大切にしていたそうです。

ところが現代ではどうでしょうか。髪は手入れをしなければ、傷む物として当然の様に考えています。天使のワッカの様なツヤは、なかなかお目にかかれなくなってきました。そして科学(化学)が進み頭皮と頭髪について多くの人が悩みを抱えてくる様になりました。

   脱毛

   フケ・かゆみ

   傷んだ毛髪

   枝毛・切れ毛

   白髪

これらはなぜ起こるのでしょうか。この章ではその原因と根本対策についてみてみましょう。

 

毛周期(ヘアサイクル)

 毛髪は日本人の場合、平均約10万本あるといわれています。ところで髪にも寿命があります。この内、50〜80本程度なら毎日抜けていても問題はありません。

普通約5〜7年で生えかわります。

成長期 5〜7年

退縮期 約1ヵ月

休止期 約2〜3ヵ月

 

 

 

 

 

 


脱毛症の種類と原因

 髪が傷んでもあるだけまだいいわけで、人によっては大変深刻なのが、脱毛症です。

脱毛症と一口に言ってもその原因は様々です。

 

☆瘢痕性脱毛症

 火傷や怪我が原因で毛母細胞が破壊されて脱毛します。回復はムリです。部分的であれば、整形によって移植か縫い合わせるしか無いでしょう。

 

☆薬物内服による脱毛

 制癌剤、ヘパリン、チオウラシル、抗生物質等の副作用で脱毛するわけです。

 

☆栄養障害による脱毛

 偏食、ダイエット等で脱毛する事があります。栄養のバランスをとって下さい。

 

☆円形脱毛症

 精神的苦痛やストレス等によって交感神経が緊張し、その結果、毛母細胞を取巻いている毛細血管が萎縮して、栄養の補給が出来ず、脱毛を起こします。緊張が無くなればほっておいても自然に生えてきます。活性液を塗布すると回復はずいぶん早い様です。

 円形脱毛症が大変ひどくなった様に思われる症状に「全頭脱毛」俗に言う「禿頭症」があります。中国の101で有名になりました。現代医学では原因不明とされていますが、腎臓に問題があるらしく、「血行促進」治療をして完全な「正食」を実行すれば回復するという報告がいくつも有ります。活性液を塗布しただけでは一時的な発毛は見られてもやがて抜け落ちてしまいます。

 

 

 

 


☆接触性皮膚炎による脱毛症

 シャンプーが残留していたり、パーマ液・ヘアーダイ等で炎症を起こすと脱毛します。頭皮にかさぶたが出来、見るからに痛ましい人を時々見掛けます。今までのシャンプーを、後程説明する洗浄剤の入ったシャンプーに代えて、活性液を塗布します。

 

☆脂漏性脱毛症

 皮脂腺からの皮脂分泌が異常に多い場合、毛根の角化を阻害します。また、皮膚も過酸化脂質となって脱毛します。よいシャンプーで一日2度洗髪します。

 

 

 

 


☆ホルモン異常による脱毛・男性型脱毛症(若はげ)

 一番悩んでいる人の多い脱毛症です。女性ホルモンが不足したり、男性ホルモンであるテストステロンは5α−リダクターゼという酵素との代謝異常によって、5αジヒドロテストステロンという物質に成ります。その物質が毛母細胞の働き(ATPの生成阻害による)を抑制するために、毛髪が生えなくなります。ある程度生えてもその毛髪は弱々しく、寿命も短くなります。

 毛髪が抜けるから禿るのではなく、抜けた後の発毛が見られなくなるので次第に薄くなっていくわけです。

 それにしてもこの脱毛症は決って、前頭部や頭頂部から薄くなって生きますが、不思議と耳のまわりや後頭部の下は禿ません。何故でしょうか。今までにも様々な説が有ります。

 頭皮緊張説・・・・・・年を取ると頭頂部の骨が出っ張るので、皮膚が引っ張られて薄くなり、頭のてっぺんあたりから薄くなってくる。

 ホルモン別の支配によるという説・・・・・・みみのまわりの頭髪は女性ホルモンが支配しているが、頭頂部は男性ホルモンによって支配されている。

等、色々な説がありますが、いままで誰も言わなかった理由に、頭頂部と側頭部の環境において明らかな違いが他にあります。頭皮をブラシで叩いて刺激を与える方法がありますが、もう一歩踏込んで考えて見ましょう。人は普通横になって寝ます。そして普通、枕も使います。すると側頭部から後頭部においては常に刺激を受けている事になります。それに比べて頭頂部や前頭部はほとんど刺激を受けません。

 常に刺激を受ける場所などに、ごう毛が生えて来る事があります。

   手術あと

   腕時計をしている所

   ほこりっぽい所にいると、まつ毛や鼻毛が長くなる

等です。頭でも同じではないでしょうか。守らなければならない大切な脳があるわけですが、刺激が無ければそれを守る毛髪もさほど重要ではなくなってしまうのかもしれません。それでホルモンの関係と皮脂の出過ぎとがあいまって男性型脱毛症が引き起こされる様です。また仕事でヘルメットを常に着用しなければならない人にも、この脱毛症は多い様です。汗や脂が蒸れてしまうのもその原因の一つだといわれています。食養的にみると

   前から禿る人は陰性

   後から禿る人は陽性

といわれています。

 この脱毛の特徴

   初期は、まず頭が痒くなって、頭皮が赤くなってくる。

   脂の分泌がひどくなる。

   普通一つの毛穴には3本程度の毛髪があるが、2本、1本と減ってくる。

   脱毛が進むとかゆみは無くなり、皮膚が光ってくる。

対策と活性化

   香料が入ってない上質の洗浄剤で一日2度洗髪します。頭の匂が取れるまで。

    (市販のシャンプーでそれだけ洗う事は危険です。)

   活性液を塗布して5αジヒドロテストステロンの排拙を促します。

   ××式マッサージをして頭皮に刺激を与えます。(後述)

   その他

 

 

 


 

 

 

 


 

 

 

 


フケ・かゆみ

 洗っても洗ってもフケが出るというフケ症の人は簡単です。なぜフケが出るか考えてみましょう。

   フケとは角質層がかたまって、剥がれて落ちていくものをいいます。

   自然な皮膚代謝ではその様な事は起こり得ません。

   なぜなら角質層は一つ一つが垢となって剥がれていくものだからです。

   フケ症の人は間違いなく合成系の界面活性剤を使用しています。

   固形石鹸といえども海面活性剤の入っているものがあります。

   この界面活性剤には強力な「溶解・はく離」作用があります。

   皮脂を取り過ぎる働きもあります。

   溶解され、皮脂を奪われた角質層は洗髪直後には既に、はく離し始めています。

   従って、洗えば洗うほどフケが出ます。

   洗い過ぎると、接触性皮膚炎を起こす事もあります。

   合成界面活性剤を使用している限り、フケ止め剤は無意味です。

   またリンス等の成分を残留させますから、それがまた刺激となります。

   痒くなって掻きますと、ボロボロとフケが出て来ます。

対策としては

   合成の界面活性剤は止める。(一般のシャンプーの事です。)

   リンスも使ってはならない。

   上質の洗浄剤に替える

   症状がひどい場合は活性液を塗布する。

普通はこれでピタリとフケは出なくなります。ただし、角質層がひどく傷んでいる場合、活性液を塗布しますと、新陳代謝が活発になって頭皮が活性化され、古くなった角質層が、一気に剥がれてフケが一時的に増える事がありますが、新しい角質層が形成されてきた証拠なので何も心配いりません。じきに止ります。

 

 

 

 


傷んだ毛髪

 なぜ毛髪が傷むのでしょうか。

   合成の界面活性剤には強力な溶解・はく離作用があります。

   その作用によって毛髪を守っているキューティクルが、溶解はく離されます。

   バリアの無くなった毛髪からは、アミノ酸等の成分が溶出します。

   パーマで毛髪が傷むのも成分が溶出するからです。

   熱は毛髪の蛋白質を破壊します。

   し過ぎるブラッシングはキューティクルを傷めます。

つまり何等かの原因で毛髪を破壊しているわけです。界面活性剤は日々使用するものですから、一番髪を傷めてしまう原因になっています。リンス等に含まれるポリエチレンでコートしても見かけだけです。ポリエチレン等の被覆剤を含まない石鹸であらってみると本来の傷んでいる毛髪がそのまま出て来ます。ガシガシ、バサバサするのは石鹸が髪を傷めたのではないのです。石鹸にはコートする成分が含まれていないだけです。

 普通、傷んだ毛髪の手入れとしてリンスやトリートメントをするわけですが、被覆する成分はリンスを洗い流しても、身体にかかった部分に残留します。それがまた、フケやカユミの原因となっていきます。

 

 

 

 


枝毛・切れ毛

 これは傷みがひどくなって毛髪そのものが破壊するわけです。シリコン等で一時的にコートしても原因を断たなければ何にもなりません。

 それにしてもシャンプーとリンスの関係は絶妙です。

   シャンプーでキューティクルを溶解はく離する。

   剥がしたキューティクルの代わりにリンスのポリエチレンで被覆する。

   するとそのうち色々な障害が出て来る。

   カユミ止め・フケ止め剤が必要になる。

   枝毛・切れ毛防止剤が必要になる。

商売として考えるなら、シャンプーさえ売れば一石何鳥 にもなるわけです。

 子供のころ「たたいて、さすれば同じ事。」と言いながら、友達を叩いてはさすって歩く、がき大将がいました。はたして叩いて擦れば同じ事でしょうか。キューティクルも剥がしてポリエチレンで被覆すれば同じ事?

その他の頭皮頭髪用化粧品も有害な化学物質を使っている物は要注意です。

 

 

 

 

 

 

 


傷んだヘアの修復

 すでに傷んでしまった毛髪を修復する事は可能でしょうか。

すでに剥がれ落ちてしまったキューティクルを再生する事は不可能ですが、傷んでしまった毛髪をある程度修復する事は出来ます。この発見については偶然でした。生体成分を頭皮活性のために塗布していますと毛髪にコシが出てきました。傷んだ毛髪ほどしっかりしてきたのです。色々と調べた結果次の事が分りました。

   傷んだ毛髪は成分が溶出しています。

   活性液の塗布によって適当な成分が、毛髪の溶出した所へ浸透している。

   多糖体・アミノ酸が傷んだ箇所の保護をしている。

ということです。

   傷んだ毛髪に活性液を塗布し、できればキャップを被って遠赤外線等で加温する。

   その間、乾燥させない。

特にパーマをかける時、活性液を塗布していますと、頭皮保護の目的以外にも、アルカリ膨潤時に成分溶出を防ぐ他、既に傷んでしまっている毛髪の場合は生体成分が浸透するせいで、パーマをかける前よりしっかりして来ます。傷んでいる人ほどその差がはっきり分ります。

 なお、パーマで毛髪が傷むのはアルカリによると考えられて来ましたが、アルカリが毛髪を傷めるのではなく、アルカリによって毛髪が膨潤する結果、ある段階を越えると、毛髪成分の溶出が起こるのが原因である、という事が分っています。

 

 

 

 

 

 

 


第6章   理想の化粧品とは

 

 

 

 薬事法の中で化粧品は

   人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、

   又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために身体に塗擦、

   散布その他これに類する方法で使用されることが目的とされるもので、

   人体に対する作用が緩和なもの。(薬事法第二条)

という定義があります。

が、どうも今までの一般の化粧品においては、その時の一時的な感触等を重視していたため、本来の目的を達する事が出来ませんでした。ましてや、あまりにも有害な化学物質を多量に使用しているため、ほとんどの人が、皮膚がすこやかになるどころか、累積性皮膚炎にかかっているというのです。それは第1章で述べた通りです。化粧水やクリーム、合成シャンプーやリンスを使い続けていると、

   人の身体を一時的には清潔にし、美化し魅力を増し、容貌を変えるが、

   使い続けると皮膚若しくは毛髪を傷め、シミ・シワを造り、

      老化を促進し、健康を損うこともあって・・・・・・

という事になってしまうわけです。

 

理想の化粧品とはこんな物であっては困ります。薬事法に定義付けられている通りに

   「皮膚や毛髪をすこやかに美しくするもの」

でなければなりません。使い続ける程すこやかさが維持出来るものが、理想の化粧品といえるでしょう。 

 そして今では、RNB理論によって細胞の活性化させる方法が分って来ていますので、その理論に基づいて造られる事が大切です。特にこれから読者の皆さんが、化粧品を選択される場合の大切なポイントを3つ、ご説明いたしましょう。

 

 

 

 


☆ 第1のポイントは弱酸性であることです。

 私たちの皮膚表面をおおっている皮脂膜は、汗・脂ともに弱酸性ですから、健康な皮膚は常に弱酸性を保っています。角質層のケラチン蛋白は弱酸性の時が一番丈夫で、アルカリ性になると軟らかくなり、弱くなってしまいます。その結果、細菌が繁殖しやすくなったり、刺激に対しての抵抗力も弱まります。

皮膚のPH値

   男性・・・・・・4.5〜6

   女性・・・・・・5〜6.5

くらいですから、理想の化粧品

も弱酸性でなければなりません。

なお、中性洗剤など化学的には

PH7は中性ですが、肌にとっ

てはアルカリだといえます。

 

 


☆ 第2のポイントは無添加であることです。

 今まで述べてきた通り、有害な化学物質は使い続ける事によって、いつか害が出て来ます。しかし、防腐剤さえ入れない無添加という事になると特殊な密封容器が必要になります。注射液を保存するビンの事をバイアルビンと言います。このビンは高温・高圧滅菌が可能なので防腐剤等を入れなくても済みます。無添加で仕上げるためにはバイアルビンが必要です。

 しかしバイアルビンのものはすべて無添加であるかといえば必ずしもそうではありません。普通の化粧品であっても、有害成分が入っている場合は表示しさえすれば、いくらでもバイアルビンを使って製造は可能です。有害な化学物質が無添加であるかどうかを良く見極める事が大切です。

 

 

 

 


☆ 第3のポイントは生体成分であることです。

 化粧品には様々な原料が使われている、ということは今まで述べてきた通りですが、化粧品選択の目安として、原材料については、次の点に着目するのが良いでしょう。

 

   1.化学合成物質・・・・・・・・生体内に存在しない物質

 

   2.自然界抽出成分・・・・・・動植物からの抽出エキスで動植物の生体成分

 

   3.生体成分・・・・・・・・・・・・人の生体に存在する成分(バイオ技術で造る)

 

 普通、化粧品の原材料のほとんどの物質は1の化学合成物質であります。指定成分として表示義務のあるモノについては、それに注意さえしていれば良いのかもしれませんが、まだまだ今の基準や検査方法では安心出来るとはいえません。30年使い続けてどういう影響が出るか、を調べることは出来ないからです。その証拠に一度は許可されたタール系色素や殺菌剤などが、後になって発癌性がある事が分って禁止になる、という事がよくあるからです。現代の私たちを取巻いている合成化学物質には、まだ発見されていない毒性が有るであろう、という事は十分に推測出来る事です。君子あやうきに近寄らず、です。わけの分らない有害な化学物質は出来るだけ私たちの日常生活から追放しましょう。

 

 

 

 


 自然から取った物なら安心、と盲目になるのも考えものです。自然界にだって毒草や毒を持った動物はいくらでもいますし、意味のない動植物だっていくらでもあるわけで、それらから取ったエキスでは意味がない事になります。まあ、敢えて毒を持ったモノからのエキスを抽出して、という事は有り得ないと思いますが、意味の無い「自然のエキス」はいくらでもある様です。また、薬効のあるエキスであっても、使い続けるとどうなるかは分りません。良いと思って抽出したエキスの中でも害を現すモノも有ります。胎盤エキス等がそうですが、中に含まれるホルモン等の働きで害が出てしまったりするわけです。自然界抽出成分を原材料に使っている場合も、注意が必要です。

 

 

 

 


 また自然界抽出成分だけで製品化される事はほとんどありませんから、そのベースには化学合成物質がたっぷり使われているのが普通です。

 生体成分はバイオ技術等で人工的に作り上げた物質で科学者間では21世紀の化粧品材料といわれています。それでは生体成分化粧品としての原材料にはどんな物があるか見てみましょう。

 まず洗浄剤としては

☆N−アシルグルタミン酸モノナトリウム

 アミノ酸からつくられた物質で界面活性作用を有し、特異的な安全性を誇っています。皮膚にやさしく、アレルギーや光毒性も全く無く、良好な洗浄力と毛髪の保護、修復効果を持つと共に、独特のシットリした洗い上がりの風合いが特徴です。ちなみに毛髪成分の15%がグルタミン酸(アミノ酸)で構成されています。

 

 

 

 


☆アミノ酸

 タンパク質を構成する有機化合物で20種類、その他のアミノ酸は60種類ほど生体内で発見されています。その内8種類が生体に不可欠な必須アミノ酸です。

 アミノ酸は生体内でタンパク質、酵素、ホルモン等の素材となる他に、皮膚の角質層のNMF(保湿成分)として約40%を占めています。このNMFに由来するアミノ酸を使用しています。これらのアミノ酸は年齢と共に低下する皮膚上でのアルカリ中和機能を助け、抗菌作用をもたらすと共に、肌荒れ現象(ドライスキン)には最も顕著な変化を示します。皮膚が自ら回復しようとする力(自然治癒能力)を最大限に引出す力があります。

 また、毛髪は硬タンパク質であるケラチンからなっており、加水分解すればアミノ酸を生じます。毛髪を構成するアミノ酸は18種類で健康毛の維持及び損傷毛の修復には欠かせない成分です。

 

 

 

 


☆多糖体

 多糖体は単糖類が数百〜数万程度つながった重合体で、生体内では構造の構築(細胞間の接着、緩衝、潤滑など)の役割を果たしています。また、エネルギー物質として体内に貯蔵された状態で存在しています。代表的なものにセルロース、アミロース、グリコーゲン、プルラン等があります。また生体内でタンパク質と結合したムコ多糖体として、コンドロイチン、ヒアルロン酸、キチン・キト酸等があります。

 近年、ガン細胞の増殖を抑え修復能力があるらしい、という事で注目されている物質でもあります。シャンプーに配合した場合は、毛髪を優しく被膜し、傷んだ髪を保護します。

 

 

 

 


☆電解質補給剤

 成人の場合、体重の約60%が体液で、それは電解質の溶液で出来ています。成分は

   陽イオン・・・・・・ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム

   陰イオン・・・・・・塩素、重炭酸、リン酸

等です。これらのバランスが乱れたり、失調が起こると生体のあらゆる機能に変調をきたし、生命に危険を及ぼします。皮膚細胞においても同様で、健康な肌を取戻すための成分として必要です。

 

 

 


 

☆血漿代用剤

 バイオ技術で蔗糖から生成された血漿成分です。医療では血漿増量剤、血流改善剤、

貧血症剤等に使われています。浸透圧を高め活性化を促す他、抹消血流改善(皮膚の血行促進)の働きがあります。毛髪に対しては、保護、保湿、帯電防止の働きがあります。

 

☆ピロリドンカルボン酸

 アミノ酸の代謝物であり、表皮角質層のNMF(天然保湿因子)として重要な働きをしています。

 

 

 

 


☆DNA(デオキシリボ核酸)

 細胞の核内に存在する物質で、生体機能高分子の中でも最重要な機能があります。化粧品に

配合した場合、細胞の賦活効果があります。経皮吸収を考える場合、分子量数万という高分子が容易に吸収され、活性化が行なわれるという事は即座には考えにくい事です。しかしDNAを構成しているヌクレオチドは低分子であるため、容易に吸収され細胞膜を通し、皮膚の細胞活性、老化防止等に効果があるという学者のデータがあります。

 

 

 

 


☆コラーゲン

 生体中の全タンパク質の約3分の1がコラーゲンです。生体の保護・支持、細胞の支持物質として働いています。皮膚においては真皮の90%がコラーゲンで出来ており、現在では生体内で10種類以上発見されています。

 非常に丈夫なタンパク質で、羊毛よりはるかに強く、絹に匹敵する強さを持っています。皮内注射用コラーゲンは皮膚科・整形外科で、シワ、ニキビ痕、瘢痕等の陥没部を修復する治療に用いられています。更に人工皮膚用基材、人工血管、縫合糸等がコラーゲンで作られており、活発な研究が進められています。

 

☆その他

 その他にも微量の生体成分が

多数あります。各学会の学者・

研究者間で注目されている21   

世紀の化粧品成分として配合が

必要です。


さらなる応用とその発展

 RNB理論が世に出たおかげで、素肌を本当にすこやかに保つ原理が分りました。今までは、その原理原則が不明だったので一時的な感触や、間違った考えに基づいてとんでもない物が生み出されていたわけです。

   シミは汚い     →いらない物 →シミを取ろう

   角質層は死んだ細胞 →いらない物 →はぎ取ろう

   開いた毛穴はみっともない     →毛穴を引締めよう

   メイクアップが崩れる       →汗や皮脂の出を抑えよう

   雑菌は有害だ    →いらない物 →殺菌剤で消毒しよう

等です。従ってこれからはRNB理論にのっとって商品開発をすれば、本来の薬事法に違反しない化粧品が出来るという事です。言換えればやっと薬事法に違反しない化粧品の原理原則が確立された、という事になります。

 しかしここで問題が生じてきます。いままでの化粧品という物があまりにひどい原材料で出来ていたため、薬事法ではシミが治るとか、毛が生えるとか絶対に言ってはならないとされているからです。シミを発生させる物を使っていて、シミが治るわけない、というのが厚生省の見解なのです。

 従って化粧品として商品化するなら皮膚をより美しくし、毛髪をすこやかにしたいと思っている人に販売するべきでしょう。そして皮膚トラブルについてはRNB理論を理解して頂いた皮膚科の医者に診てもらうのが良いでしょう。

☆ 皮膚科専門医に応用してもらうべき症状

   シミ

   ニキビ

   水虫

   アトピー性皮膚炎

   やけど 等

☆ 化粧品販売に携わる人の出来る事は、次の様になります。

   皮膚を美しくする

   皮膚にうるおいとハリを与える

   毛髪を美しくすこやかにする

   容貌をかえ、魅力を増し、若々しく保つ

様にして上げる事です。これが出来たら素晴らしい事ですね。今までは出来なかったのですから。

 RNB活性理論も更に研究が進んでいるそうですから、これから益々内容がグレードアップしていく事でしょう。発展する応用法が楽しみです。
第7章   さらに美しくなるために

 

 

 

                                          はじめにに戻る

 

                                               化粧品の実態「聞いたらびっくり!」のページへ

 

                                               ラビアサクセプログラのページはこちら